内容説明
時には結び、時には敵対する―。戦後日本を荒廃から立ち直らせただけでなく、高度成長の牽引者であった自動車メーカーは自由化・国際化の荒波に対して合従連衡の道を模索してきた。日産のプリンス自動車合併に始まり、三菱自工とクライスラーの提携、フォードのマツダ支配、全世界を驚愕させたベンツとクライスラーの握手、そして仏ルノーの軍門に降った日産。二十世紀を最も変革したモータリゼーションの変転きわまりない歴史から何を読み取るか。
目次
序章 憂鬱な経営者たち
第1章 黒船来襲前夜の六〇年代―合従連衡時代の幕開け
第2章 石油危機に揺れた七〇年代―マツダを巡る奇怪な動き
第3章 国際小型車戦争勃発の八〇年代―明暗分けた国際化戦略
第4章 九〇年代は失われた十年―日本車メーカーはなぜ敗北したか
終章 二十一世紀の自動車産業―シナリオなきドラマは続く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kitakita
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企業経営が如何に難しいことであるかを知らされた一冊だった。経営とは、海図なき航路、人跡未踏のジャングルを進むがごとしである。経営悪化という結果に対して、必ず原因がある。マツダ、日産が外資傘下に下ったのは、誤った過信、盲信、それに基づく過剰投資と言っていいだろう。しかし、ペシミストがいいのかというと、そういう訳ではない。今あるトヨタの姿はGMとの提携から始まっている。長期的な展望、戦略が素晴らしかったと言わざるを得ない。さて、マツダ、日産の凋落の過程は、現在の某家電メーカーにもぴったり当てはまりますね。今後2013/02/26
ねむ
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タイトル通り、自動車の大会社の合従連衡の歴史について順を追って説明がなされている。ただ予備知識が無く読んだため、長々しく感じてもう少し要点をつまんだ説明が欲しくなった。2012/04/29