文春新書
スーツの神話

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784166600960
  • NDC分類 383.1
  • Cコード C0295

出版社内容情報

今や、世界の男たちの「制服」となりつつあるスーツ。そこにはどんな歴史が、神話が、秘められているのか?スリリングなスーツ論

内容説明

1666年10月7日、時のイギリス国王・チャールズ二世の「衣服改革」によって、この世に新しい服が生まれた―。以来、現代と同じ「スーツ」が十九世紀後半に登場するまでのイギリス男性服の変遷をたどり、スーツの魅力と奥深さを考える。貴族の処世術としての服から、ダンディとジェントルマンの闘い、フランス革命をへて、スーツがいかに歴史の荒波をのりこえ、現在の形に完成したのかを探る。

目次

第1章 ホームレスも着るスーツ―現代のスーツをめぐる三つの謎
第2章 チャールズ二世の衣服改革宣言
第3章 エレガント・ジェントルマンとマカロニ―スーツの可塑性の起源
第4章 脚線美よさらば
第5章 カントリー・ジェントルマン
第6章 ダンディズム―ブランメルなんか怖くない
第7章 スノビズムと階級闘争―社交界の掟、あるいは排除のからくり
第8章 ヴィクトリアン・ジェントルマンの逆襲
第9章 労働者よ、おまえもか
第10章 胡服してえびすを征す―明治初期の日本におけるスーツ受容
第11章 スーツの下剋上
第12章 「服なんか」と言う前に―三つの謎は解けるだろうか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カキ@persicape

14
良書。男の日常に君臨する戦闘服スーツ。その姿形が成立する背景にはどのような歴史がありどんな人の手で何の文化が広まりどのように変わっていって今日があるのか?読みやすい文体と面白い小話で飽きずに歴史が追える。昔は何と下品な‼︎と上流階級から揶揄されていたスタイルから発祥した細工が今日まで根強く痕跡を残していたりするのだ。単にスーツを愛する方以外にも、古き良きイギリスを舞台にした作品好きにも勧めます。特に映画好きには作品で使われた服飾を見る目が変わる気がするのでオススメ。2017/12/13

noémi

4
中野さんの考察は、女性で実際ファッションを楽しんでいるためか、読んでいても格段に説得力がある。特にブランメルのダンディズム考には瞠目させられた。彼はやっぱりイギリスの社交界においてはキワモノだったのである。宮廷によくいた道化とか小人と一緒。お上品な方々ばかりだと退屈で、ときどきピリッとパンチのきいた刺激がほしくなる。なるほどね。ブルジョアに対抗するためにダンディムが生まれたというのは理屈にあわない。それなら、身分が平民に限りなく近い、エスクワイアであるブランメルをどう理解してよいかわからなくなるからだ。2011/10/21

wasabi

3
「メンズファッションは刻々と変わりながらも、その変化には連続性があり、現在の服には、かつて王者であった服に対するオマージュ(敬意のしるし)が残されているのである」「伝統に敬意を払うのはおそらく最低限の条件である。その上で、さらにオリジナルで新しい解釈が加えられているかどうか。伝統+オリジナリティ、これがセットになって、初めて次世代へと生きながらえる可能性のある力強い服となる」。自分が着る着ないに関わらず、ファッションっておもしれーとなる良書。上記の引用した文章なんてそのまま映画や音楽にも当てはまる。2013/11/04

Humbaba

3
スーツは150年以上,大きく変わること無く続いている男性用の正装である.細かく見ていけば変遷もあるものの,その変遷は昔の服飾にあったほど大きなものではない.それだけスーツというものは完成されたものであったというように考えることもできる.2011/04/11

takao

2
スーツの歴史に興味ある人にはいいかもしれないが、あまりおもしろくない。2022/09/29

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