出版社内容情報
古代ローマは人間の生き方、リーダーシップ、国のあり方を学ぶ宝庫だ。その古代ローマがぐっと身近になる塩野七生の「ローマ入門」
内容説明
「ローマは一日にして成らず」の格言を生んだ古代ローマが西欧各国の歴史の手本とされたのは、その一千年が危機と克服の連続であったからであろう。カルタゴとの死闘に勝ち抜いたあと長い混迷に苦しんだ共和政時代。天才カエサルが描いた青写真に沿って帝政へと移行し、“パクス・ロマーナ”を確立したローマ帝国。崇高と卑劣、叡知と愚かさ―人間の営みのすべてを網羅したローマは、われわれと同じ生身の人間が生きた国でもあったのだ。
目次
ローマは軍事的にはギリシアを征服したが、文化的には征服されたとは真実か?
ローマ人の諸悪なるものについて
都市と地方の関係について
富の格差について
宿敵カルタゴとの対決について
古代のローマ人と現代の日本人の共通点
“パクス・ロマーナ”とは何であったのか
ローマの皇帝たちについて
市民とは、そして市民権とは何か
多神教と一神教との本質的なちがいについて〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
40
超長編「ローマ人の物語」が、栄光のローマの建国から滅亡1200年の時系列ドラマなのに対して、こちらはローマをローマたるものにした様々な事柄を、言わば横串的に記述している。「物語」をある程度読むか、読了後に手に取るほうが理解しやすいし、読みやすいだろう。著者は「物語」の2/3程度著した時点で本書を書いたと言う。そう言えば、「物語」再読2巻で止まって1年経ってしまった。本書をお供に、再読再開もいい、「ギリシア人の物語」もあるし…、嬉しい悲鳴。2020/04/22
kawa
35
またやってしまった読了済みに気がつかずの再読。様々な 私の肉体的問題はさておき、楽しく前向きに読了できたということで「了」としよう。超長編「ローマ人の物語」の執筆ノートの趣き。「物語」を読む前の方にはお勧めではないけれど、長編中盤まで頑張った方(塩野先生、失礼します↘)や読了後の座右の書として優れ本としておきたい。2023/10/29
ふろんた2.0
20
『ローマ人の物語』のサブテキスト。ハイライトを噛み砕いて説明します。インフラの充実ぶりをみると、とても2000年前のものとは思えない。2015/08/26
Tomoichi
18
「ローマ人の物語」を執筆中に書かれた副読物的作品。題名通り20の質問に関し対話形式で綴られる。「ローマ人の物語」は読もう読もうと思いつつ未だ読んでいません。。。積読本をなんとかしないと。。。2017/03/22
funuu
18
ローマは軍事的にはギリシャを征服したが、文化的には征服された。ローマ人は、他民族から学ぶことを拒絶する傲慢は持ち合わせていない。良しと思えば、たとえ敵のものであろと、拒否するよりは模倣するほうを選んできた。歴史とは、しばしば一人の天才の実現で一変するものです。2015/09/23