出版社内容情報
辞書は引くだけでなく、読むものである──ジョイスの翻訳で知られる氏が「国民的辞書」を精読。"二十一世紀の日本語"を読み解く
内容説明
「私が、二十一世紀の日本語です」―これが広辞苑第五版が世に出たときの宣伝文句。「辞書は引くだけではなく読むものである」―これが広辞苑を駆使して、翻訳不可能といわれたジョイス『フィネガンズ・ウェイク』を訳した希代の辞書通の言葉。頻出する「~の一。」はどう読むのか、新語“入籍基準”は、そして二十一世紀の日本語とは何か…。これまでの広辞苑とのつきあいがかわります。
目次
第1章 初めての広辞苑
第2章 ジェイムズ・ジョイス、広辞苑経由
第3章 こんなにもカタカナ語が
第4章 和製語再考
第5章 三種の辞書を比較する
第6章 語彙の取捨選択
第7章 辞書は「一長一長」である
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あーさん☆転スラ·薬屋·本好き·魔導具師ダリヤ続々アニメ最高です!!(≧▽≦)
95
読むのに時間の掛かりまくる新書。これを手にしたのならば、結局は広辞苑を読まないとならなくなり、違いを探るべく、大辞林やらまで掻き集め、時間を掛けて読み漁るしかない過酷な書物(¯―¯٥)悪魔だなこの新書。しかも、まえがきに、第五版の間違いを指摘している時点で、広辞苑の第五版と第七版を揃えないとならなくなる為、図書館に入り浸らないとならない。しかし、我が家には何故か両方あるので、時間を作りまくって読む事になる?(¯―¯٥)目次も"あ〜ん"を頭文字に。シャーロック・ホームズをうならせるかも?2020/01/30
還暦院erk
7
図書館本。『広辞苑第七版』を参照しつつ読んでいったので読了まで時間がかかったが、語彙の多い割には読みやすい本だったと思う。本書で指摘されていた第五版のミスや「わかりにくい記述」が第七版では随分改善されていて(←いちいち確認して(笑))感心した。柳瀬さんが愛ある注文を広辞苑編集部に送られた賜物の一つかもしれない。『広辞苑第七版を読む』も書いていただきたかった…辞書の話を縦横無尽に書ける(&翔ける・駆ける・かっ喰らえる)柳瀬さんが今いらっしゃらないのはサビシイ…。独特のヤナセ語、真似できないものなぁ。2018/03/11
袖崎いたる
6
よくもまぁこれほどまで言葉にこだわれるとは。世代的なものもあるのかしらね。上の世代にはこうした博覧強記に細々と色々を記憶している方が多い印象。学魔と言われる高山宏にしろ、パラっと見たものを難なく覚えられてそれが忘れないというのだから、恐れ入る。むろん、この柳瀬尚紀もヤバい。日本文学の大事件と称されたジョイス作品の日本語訳を楽しんだ方なのだから。本書を読めば(いやそもそも本書の企画からして)わかるように、言葉への感度が異常。しかし辞書にひたりつける姿勢はインストールしたいので、追いたい背中のひとつではある。2020/06/14
ニョンブーチョッパー
1
△2000/04/13
Nobody1
1
語呂つきの怪物が辞書を読む。2017/07/15