出版社内容情報
九三年八月に幕をあけた日本の連合政権時代──細川、羽田、村山、橋本、小渕、五代の政治を、権力、理念、政策の視点から徹底解析する
内容説明
自民党内の派閥政治に替わって、政治権力のゲームをどんな力学が支配するようになったのか。基本的な政策理念の相違はいかに克服、あるいは留保されたのか。そして政策過程の透明化は、「政」と「官」の従来の関係を、どのように変質させていったのか。―ポスト五五年体制の政治のパフォーマンスを、三つの視点から精緻に分析する。
目次
第1部 権力をめぐるゲーム(細川内閣;羽田内閣;村山内閣 ほか)
第2部 理念・政策をめぐるゲーム(理念の座標軸と各政党の位置;安全保障問題はどう調整されたか;「歴史認識」で譲る自民 ほか)
第3部 政策過程をめぐるゲーム(政治の側の自己改革;政治が変えた官僚機構;小さな重要な変化 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
OjohmbonX
3
自民単独→非自民連立→自社さ連立の経緯を知れば、12年の民主党政権を理解するヒントになるかもと思って読んだら、ずっと最大野党だった社会党が与党として首相を出してから、政策的に妥協を繰り返しながら支持を失って、大量の離党者を出して党名を社民党に変更して弱体化の一途を辿る姿を見ると、民主党→民進党の姿と本当によく重なるとつくづく思う。一方で自民単独政権時は優先順位が低くて進んでいなかった社会的弱者の救済や被差別者への補償といった未解決分野が、自社さ政権でかなり進んだという肯定的な側面もちゃんと指摘されている。2017/06/06
くらぴい
1
宮沢内閣崩壊のあと、細川内閣成立から、羽田内閣崩壊まで中道と左翼による連立政権は話題が多かった様に思います。後の民主党政権時代も同様、世の中は混迷していた感覚があります。2007/08/10
Ryueno
0
55年体制崩壊後の連立政権期の政治について、権力、理念・政策、政策過程という3つのパースペクティヴから考察した良書。コンパクトにまとまっているため、ポスト55年体制期の知識を整理するのに有効か。2009/10/17