文春新書
誰か「戦前」を知らないか―夏彦迷惑問答

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166600649
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

活動写真、牛鍋、きもの……"ついこの間"の戦前も、もはや遠くなったのか。笑いのうちにも見えてくる、平成日本人が失ったもの

内容説明

大地震の前の晩だって人は枕を高くして寝ていた。まじめな話をまじめくさって真顔でするのは失礼だ、著者は終始笑いのうちに戦前を語る。

目次

大正(ご遠慮)デモクラシー
活動写真
郵便局
牛鍋の時代
ライスカレー
寿司そば
ラーメン
教科書
女学校
きもの
ふみ書きふり
洋行
菊竹六鼓と桐生悠々

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

325
こういう戦前のあれこれ話の一つ一つが面白く対談されていて良かった。著者の山本夏彦氏は大正4年の生まれだが、私の幼少期に亡くなった家の祖父は明治43年の生まれだったので、まるで祖父の話を聞いている様に感じた。祖父といろんな話をしたかったなぁ。2016/09/13

さきん

30
これが中々良かった。戦前の下町の雰囲気が掘り出される。現在につなぐような接続詞省略、演劇から活劇、無声映画、映画、そして映画自体の衰退がめまぐるしい、銀行や郵便では預金しかしてなかったり、家庭ですきやきするようになってからの牛鍋屋の衰退、戦後を覆う日教組史観など。戦前はそれなりに明るい時代だったと力説している。2023/01/27

五月雨みどり

17
どんだけぶりの再読だろうか。初版平成11年(1999年)。20世紀も終わりに際し,大正生まれ80代半ばの山本翁が孫世代の20代の才媛?に「戦前」(古くは明治から)の文化や世相についてあれこれ指南する問答集。楽しい。才媛がモノ知らな過ぎて(笑,自分も笑ってる場合じゃないんだけど),知らないくせに苦し紛れに切り返して翁に呆れられるとことか。山本翁,頑固ジジイなんだけど可愛いんだよね,自分もこういう爺様と赤ちょうちんで一緒に熱燗でも呑みたいぜ,「戦前が暗かったなんて嘘です」かなんか聞きながら。次作に続くよ~2022/12/31

tetuneco

17
好きなものはありません。死ぬまでのひまつぶしに食べているんです。だなんて、言ってみたい。2012/06/07

白義

11
一人一人の個人史が歴史を形作るのだとしたら、この問答は堂々とした個人史である。公式的な歴史に抗うように、食、金、お芝居まで細部のディテールが詰まった戦前を現代への嫌みたっぷりに語っていく名話芸が冴えている。ただ、こんな超いいとこ育ちの人なかなかいないよなあ、という気にはなるのだけど。活動写真の弁士なんてわー懐かしーと(見てないのに)言うこと請け合い。高度なレトリックとボキャブラリーも身に付く秀逸な談話本2012/05/20

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