出版社内容情報
「週刊文春」に連載された珠玉のエッセイ。なにげない日常で、仕事の現場で投げかけられるみずみずしく、また鋭くも暖かい視線。
目次
お弁当
拝借
マスク
天の網
なんだ・こりゃ
縦の会
唯我独尊
七色とんがらし
転向
普通の人〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
10
これまで読んだ向田邦子のエッセイ本の中で、一番おもしろかった。『無名仮名人名簿』は、タイトル通り、彼女が出会った人々についてのエピソードを綴っているのだけれど、彼女のドラマがそうであるように、人間が一番おもしろいのだということを、このエッセイも知らしめているのかもしれない。2010/05/26
ゴロチビ
2
全集で向田邦子を読み直そうと思っての2冊目。読んだ事無さそうなエッセイの三。ここで図らずも「トットひとり」に書かれていた向田さんのお得意物まね「おしっこするリス」に出会い、笑い過ぎて呼吸困難に。しかし読み進めるにつれ、脚本家やエッセイストとして人間観察を生業にして来た人の、冷徹な目というか、対象を冷たく突き放すようなペン使いを感じてしまったのだ。三十年も昔、愛読していた頃には気付きもしなかったもの。それは自分が若かったせいなのか、作品の違いなのか、…これから読み進めて行けば、自分なりに、答えは出るだろう。2016/08/23
fubuki
2
図書館で借りる。時代を感じさせられる背景のものもあったが、それはそれで懐かしく読み終えた。「書く」ことは、よく周りを観察することでもあると、改めて感じる。2011/12/30
ポレポレ
1
エッセイ集『無名仮名人名簿』を収録。特に「なんだ・こりゃ」がおもしろかった。 ★★★☆☆2023/07/03
Kooheysan
1
随筆集の三巻目。身近な人を題材にしたエッセイ。人間観察の妙、社会というもの、そして筆者自身への鋭い客観的な視点と言語化。作品としても、1つの作品でいろいろなことが言及されていくにも関わらず、毎回きちんと話がまとまるのがすごいです。自分自身、読んでいて笑ったり心温かくなったり唸ったり反省したり…。2023/07/03