感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山嵐電撃吹雪拳
2
ただのハードボイルド小説ではなく、お前はどれだけ自分だけを信じて、孤独に耐えられるかを問うてくる作品だ。主人公村上や角田の棲む世界とは全く違うところで生きているが、結局自分も自分の力で生きて行くんじゃないか、生きて行かなければならないんじゃないかと考えさせられた。2022/03/22
トックン
0
まるで『仁義なき戦い』の世界観。主人公・村上卓治が、かつて「伝説」のあった北海道・留萌から上京することで物語は始まる。しかし、卓治の意に反し東京は「白亜」の城のようで無機物のようであった。そこで横浜で組にいる親戚である角田に体を預ける。女を「犯し」、3人の男を「殺め」獄中へ。保釈後は、組の運営に奔走する。結果、頂まで登りつめるが失脚し、角田を殺し幕を閉じる。絶対的なまでの「自己」への執着が描かれる作品。女や世界に意味を求めず、性と暴力によって、ひたすら自己を超越していく。「強度」を渇望して止まない物語だ。2015/06/25
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