出版社内容情報
80周年記念出版 戦国期、無名の一遊説者から身をおこした稀有の名宰相!
門地もたよるべき親戚もいない貧素な青年は遊説者となる。白い雲が浮かんでいた…。寡欲で清しい名宰相・范雎の生涯をえがく会心作!
担当編集者より
范雎(はんしょ)は魏(ぎ)の人。たよるべき門地親戚もなく、一介の遊説者として身をおこし秦(しん)の宰相となる。その物語の主要なところは復讐譚にはちがいないが、暗澹たる情念はなく、むしろふくよかな情感にみたされ、戦国期にあって意外なほど艶やかな女性風俗がえがかれた異色作。それは、人は人を映す鏡とみて、つよい自我をおしださず寡欲な人格を形成した、范雎自身の人間観のようです。荀子はこの宰相の政治を、たのしみがありながら治安がよく、簡約で詳密、これこそ至上の治と評したそうです。(MK)
内容説明
たよるべきものを一切もたない魏の人・范雎は、一遊説者から身をおこし秦の宰相となる。人は人を映す鏡。澄明寡欲なその生涯。