出版社内容情報
80周年記念出版 中国古代の人間と天地が凝縮された作品!
周と召は望の機略によりあいむすび叛意をととのえる。商王紂を討つ——。宿望の日がきた。革命家、太公望の人間像を鮮烈に描き尽す
担当編集者より
太公望といえば釣師の代名詞として名が定着してしまった観がありますが、作者によるとそれは「列仙伝」をはじめとする伝説で実像をぬりかためた故であるらしい。それによると紂(ちゅう)王の暴政から逃れた太公望は隠棲し釣りにあけくれた。やがて大魚を釣りあげその腹中から兵法書を得て国王にさまざまの機略を授ける……。しかしこの人物は神仙の人とはほど遠く合理を尊ぶ精神の主で、実在しない天上の神に人間を贄(にえ)にする時代こそ狂気とみなします。真の意味での革命者といえましょう。(MK)
内容説明
利にあらそう者、怨みにあらそう者、さらにそれを超えて勝つ者。太公望の生は苛烈きわまりない。やがて宿望の日の朝である。