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幸田文

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784166402106
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0395

出版社内容情報

父・露伴に家事を仕込まれた娘時代からその父を看取るまで、身近な人間観察や、自然の持つ力への畏敬など。随筆の真髄を知る1冊。

内容説明

娘時代の想い出から、父・露伴を看取るまで。折々の身辺雑記に、動植物への親しみ。いまこそ新しく立ち現れる稀代の名文家の多面的な魅力。

目次

第1部 幼いころから、父の死まで
第2部 くさぐさのこと
第3部 週間日記ほか

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。2001年、『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

59
新聞の書評欄で気になった1冊。浮かれることのない足元をそして身の回りに神経を張り巡らせ、でもいきいきと生きている。それが幸田文の第一印象。父親の教え、文を取り囲む家庭環境。それは生きるうえでとても役立ち大切なことばかり。掃除をするにして何をするにしてもそこに至るまでの段取りがある。そして、歴史上の人物がたくさん登場してくる。当たり前のことだけど今でも語られるような人たちと日常を過ごしていたと思うと時の流れにまで思いを馳せてしまう。随筆を読みながら、これが現代との違いかと思う。「捨てた男のよさ」が印象的。2012/11/08

まつこ

48
父である幸田露伴の影響を少なからず受けている感性。そしてやや怖いもの知らずなところ。まさに金魚の解剖なんて想像しただけで・・・。しかし見る目の豊かさと確かさは今も通ずる。ゴリチン。2番手。杉。印象深かかった話です。このシリーズは内容もさることながら、選者・装幀と共に楽しめます。2015/08/11

naoっぴ

46
流麗な文章やきりりとした内容から背筋の伸びた礼儀正しい女性を想像していたけれど、読んで印象が変わりました。若き日の気恥ずかしい思い出、父への反抗心、腹を立てたり失敗したりしたことなどが真正直に語られ、なんと人間味あるひとなんだろうと。晩年の父露伴との離れがたい気持ちが切々と綴られた「終焉」は、涙なしには読めませんでした。屋久島をおんぶされて登ったエピソードは著書の『木』を思い出してくすりと笑えたし、独特な擬態語は本書でも健在。やはり好きな文章だなぁと心地よく読みました。2022/03/28

Shoko

26
写真で着物を着たお姿を見ると、落ち着いた、ピシッとした印象を受けるのに、その文章を読むと、印象はガラリと変わる。前半、生い立ちや、父、幸田露伴についての回想、少女時代の思い出など包み隠すことなく、素直に語られていて面白い。大人になり、離婚して父親の元へ戻ってからについても、惑いや迷いを隠さず語り、体当たりで物事に挑む姿を見せてくれる。動植物への目線にしても、人間スケッチにしても、お料理についても独自の流儀のようなものがあって、そこが素敵でした。2021/09/20

ぐっちー

19
非常に魅力的な文章の森。今まで、キリキリと背筋を伸ばし、そびえ立つ山の佇まいを明治生まれの人に抱いていました。まして幸田露伴を父に持った女性となるととっつきにくいかと思いましたら何の何の。確かに父の教育方針は現代にはなかなか見ない厳しい愛で、読みながら自然と背筋が伸びました。しかし露伴亡き後、その軛を離れた彼女の、万物に注ぐ春の慈雨のような眼差しや、歯切れ良い言葉運びのユーモアは膝を打ちました。心地よいこの森をいつまでも散策したい、そんな気分に浸りました。2015/01/31

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