出版社内容情報
短篇1 或る「小倉日記」伝他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブトムシ
22
明治42年(1909年)に福岡県小倉市に生まれた。本名は清張(きよはる)。昭和25年(1950年)に懸賞小説に応募。「西郷札」が入選。さらに直木賞の候補となった。その後、昭和27年下半期の芥川賞に選ばれた作品が「或る『小倉日記』伝」。森鴎外の研究に志す田上耕作は小倉の人である。ある日「鴎外全集」を読んで、小倉時代の日記が散逸していることを知り、独力でその空白を埋めようとした。しかし戦争が苛烈になってその研究は進まず、昭和25年の暮、母にみとられて淋しく死んだ。鴎外の『小倉日記』はその2か月後に発見された。
あっきー
19
⭐2 朝井まかての「類」にこの短編小説が登場していて芥川賞だったので全集でこれだけ読む、面白かったがコメントを書くのが困るくらい短かった、ちょっとしたすき間時間に読んで勉強になるし人間ドラマもありで有意義に時間を使えたと思わせるような話だ2020/12/05
たつや
5
松本清張の初期の短編集。ベストセラー作家の初期が読め、直木賞から芥川賞に回されての異例の芥川賞受賞に天運も持つ、普通の人とはちと違う凄味を感じた。2024/08/22
とし
4
ノンフィクションと現代ミステリやサスペンスの作家さんだと勝手に思い込んでて手を出してなかったのだが、読んでみてわかった。歴史作家ですねこの人。完全に食わず嫌いでした。この巻は彼のデビュー作や出世作をはじめ、作家になったばかりの頃の短編のみを集めたものですが、その完成度たるや圧巻。どれも面白かった。さすがに巨人だわ。2014/10/17
tohoho
2
週刊朝日の懸賞小説の応募による三等入選の処女作「西郷札」から、「三田文学」発表、昭和27年下半期の芥川賞受賞作品で、主人公が清張自身かと思わせる『或る「小倉日記」伝』。森林太郎の小倉左遷時代の日記の内容に興味惹かれる-冒頭登場のK.M(木下杢太郎)、鈴の音の「でんびんや」は新しい発見。小説新潮発表の「張込み」は映画化され評判になったようだが、活字として読むと迫力に欠ける感。2019/11/28
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