出版社内容情報
老西園寺公の晩景を描く表題作、不遇の少年時代を回想する「泥炭地」等、晩年の短篇を精選。巻末に年譜・著作目録。解説・秋山駿
内容説明
清張文学40年の原風景と到達点を示す晩年の短篇を精選。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
グラスホッパー
4
短編集。著者の幼少から青年期くらいまでの体験が読んでいて苦しい。それがあるから、松本清張の小説が生まれたんだろうな。2025/07/19
KUMAGAI NAOCO
1
私の曾祖父の日記がこの作品中に引用されている、ということで読んでみた。実際には、主人公の知り合いのお父さんが突然勤め先を首にされた原因を突き止めるという内容だが、曾祖父という人物(達筆とのことだが、リアル子孫としてはあまりそうとは思わない)の事や、苦悩なんかも想像できて、松本清張らしい、淡々と物語の核心に迫っていく感じが実におもしろい。2014/02/06