出版社内容情報
自ら移民となった体験を踏まえた石川達三氏の『蒼氓』「不安の文学」の時代に活路を開いた石川淳氏の『普賢』等、第一回受賞作から第五受賞作までの六篇を収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
88
芥川賞】石川達三「蒼氓」、鶴田知也「コシャマイン記」、小田嶽夫「城外」、石川淳「普賢」、冨澤有爲男「地中海」、尾崎一雄「暢氣眼鏡」。著名な方々の受賞作品を手に取ると、緊張感が...第一回は、太宰治の「逆行」が落ちる。予選で瀧井孝作が太宰の「道化の華」を落とし、「逆行」を残したという。佐藤春夫は太宰の支持者。「逆行」より「道化の華」だとのこと。文学賞の難しさの始まり。2014/03/23
おか
32
小田嶽夫『城外』を読みたくて文庫を探したが図書館に無く仕方なく全集を借り まぁ驚くほどの時間が掛って読了(笑)目当ての『城外』はどうだったかと言うと 昔読んだか観たか定かではないが 芥川龍之介のシナへの駐留を書いた作品の様な錯覚に陥った。第五回の受賞作『暢気眼鏡』は6篇の中では まぁ面白く読めたかなぁ。いつも思うが 芥川龍之介の実際の作品は大好きなのだが 何故 芥川賞作品となると こうも読みにくくなるのだろう(笑)2024/10/20
大粒まろん
12
地中海のみ。これはドラマティックな作品。風景描写などは写実的でパリという舞台にあった美しい文体。物語の滑り出しは、パリで絵画を学ぶ学生の主人公星名の憂いのある心情から始まる。星名はある夫人に想いを寄せている。それにアドバイスするのが友人である数学者児島。この児島が曲者。その児島の不敵さと知略に振り回される星名。桂氏が星名の元を訪れることで、展開は加速し、俄然緊迫感が増してくる。児島と桂氏の関わりが明かされる瞬間は意外さもあり、児島の真意がわかった時、星名が最後に選ぶ道は。芥川賞には珍しく読み物でした。2023/07/12
sashawakakasu
5
難しい…、どの作品もよくわかりませんでした。もう少し時代が現代に近づけば読みやすくなるのかしら。自分の頭の悪さを身にしみてわかりました。2022/01/09
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2
小田獄夫『城外』、富沢有為男『地中海』2021/04/30