出版社内容情報
あらゆる感傷を排し、人間の孤独と極限を描く著者二十代後半の作品群。「黒暗淵の輝き」を始め十篇を収録する好評の短篇集第二巻
内容説明
あらゆる感傷を排し、人間の孤独と極限を描く著者20代後半の作品群。「黒暗淵の輝き」を始め、10篇を収録する好評の短篇集第2巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ももたろう
4
「集落の闇」が感じられた。田舎に住む卑しい人間が何人か出てきた。主人公や都会から来ていた客の視点を通して田舎の人間たちの卑しさが浮き彫りになっていた。それが「ニンニク臭い」という表現に現れている。普段我々は「田舎」と聞くと温厚で平和な人間が落ち着いて暮らしているイメージを抱くが、この作品では卑しく強欲な田舎の人間が描かれていた。また、印象的なのは大男であった。彼は明らかに軽蔑の目を向けられていた。害虫のような扱いを受けていた。差別を感じた。村八分というか。陽の当たることの少ない村の闇がこの作品にはあった。2015/09/14