はじめての

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  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784164010044
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「はじめて」は、いつも痛くて、少し優しいーー。
日本エンターテインメントの最前線&最高峰!

文芸の最前線で活躍する4人の直木賞作家が、“小説を音楽にする”ユニットYOASOBIとコラボレーションし、小説、音楽、映像など、さまざまなジャンルで作品を展開しながら物語世界をつくりあげていく、壮大なプロジェクトが始まりました。
小説のテーマは、「はじめて〇〇したときに読む物語」。

「『私だけの所有者』ーーはじめて人を好きになったときに読む物語」(島本理生)
「『ユーレイ』ーーはじめて家出したときに読む物語」(辻村深月) 
「『色違いのトランプ』ーーはじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき)
「『ヒカリノタネ』ーーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都)

当代きっての人気作家たちが描く極上の「はじめて」が、新たな時代を象徴するYOASOBIの音楽と融合することで生まれる、かつてない読書体験です。

※文字をやや大きくし、漢字にはルビを多めにふっています。広い世代の方々にお読みいただけるアンソロジー作品です。
※これらの小説を原作としたYOASOBIの楽曲は、2022年中に順次発表予定です。

■作家からのメッセージ

島本理生:
初めての挑戦をたくさん詰め込んだら、むしろ自分の原点とも言うべき、好きな人との物語になりました。恋よりも強い絆で結ばれた「私だけの所有者」にこの短編で出会ってください。

辻村深月:
人は誰でも、その出会いの前と後で人生が変わってしまうような一生モノの出会いの経験があると思います。その一夜を通じて、前の自分にはもう戻れなくなるような、そんなはじめての家出を書きました。この小説もまた、読む前と読んだ後で誰かの何かが変わると信じて、送り出します。

宮部みゆき:
いつも物語をつくる時は、そのイメージに合った音楽を探すようにしています。ぴったりな音楽が見つかれば、その音楽が私を正しい方向に導いてくれるからです。今回はまず物語が先にあり、そこから音楽が誕生するという企画で、私にはまったく新しい経験に、胸が高鳴っています。

森 絵都:
「はじめての」というお題をいただき、私もはじめての設定にトライしてみました。時空を超える片思い――この物語が、読者の皆さんの過去に灯る大事な瞬間とつながってくれますように。



内容説明

アンドロイドの「僕」と所有者との間に何があったのか。とある国の施設に保護された僕は、「先生」に手紙を書きはじめた(島本理生「私だけの所有者」)。家出をして海沿いの駅に降り立った私は、花束が手向けられた夜の広場で、突然、不思議な女の子から声をかけられた(辻村深月「ユーレイ」)。並行世界で起きたテロへの関与を疑われ、捕らわれた愛娘の夏穂。宗一は夏穂を救いに、単身、もう一つの“鏡界”へと向かう(宮部みゆき「色違いのトランプ」)。幼馴染の椎太が好きでたまらない高校生の由舞は、四回目の告白を確かなものとするため、過去の告白を消し去ろうとする(森絵都「ヒカリノタネ」)。4人の直木賞作家が、YOASOBIとコラボレーション。「はじめて」をモチーフに描かれた4つの物語。現代エンターテインメントの最前線&最高峰!

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

511
4人の人気女性直木賞作家が、YOASOBIとコラボした作品集ということで読みました。どの作品もクオリティが高く面白いですが、オススメは、「『ヒカリノタネ』ーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都)です。このレビューはミスター - YOASOBIを聴きながらを書きました♪ https://www.suirinsha.co.jp/books/detail5.html https://youtu.be/3dRmVUcfIMs2022/03/19

うっちー

315
YOASOBIとコラボとのことですが、SF的でない、辻村、森作品が良かったです2022/04/10

ひさか

314
2022年2月水鈴社刊。書き下ろし。4人の直木賞作家に依頼した「はじめて」をテーマにした島本理生:私だけの所有者、辻村深月:ユーレイ、宮部みゆき:色違いのトランプ、森絵都:ヒカリノタネ、の4編のアンソロジー。何がはじめてなのかは、作家さんまかせのようで、それぞれ、好きになった、家出、容疑者、告白、というお題を選ばれたよう。また、それぞれに色を充てていて、閉じた本の横から靑、紫、橙、桃、の色ページが見えるのが楽しい。いずれのお話にも共感できるところが少なく、ちょっと残念です。2022/07/02

美紀ちゃん

272
作家が豪華4人とも大好き。①近未来もの。ラストは命がけ。アンドロイドは、孤独から解放されるためのもの。でも、家族。それが「好き」ということだょね。②ユーレイかも。ユーレイって怖いものだと思ったけど、こんなふうに人を生きる方に繋ぎ止めたりするユーレイもいるんだなぁと感じながら花火をする中学生の女の子。死ななくて良かった。③この世界の平行世界が存在する世界。名は体を表す。カッコいい終わり方。④料金のかかるタイムトラベル。過去に戻って、告白を無かったことにする。これは微笑ましい。曲も聴いてみようと思う。2022/05/05

ひめか*

263
森さんの「ヒカリノタネ」が一番好き。こんなにユーモアのある筆致なの意外。これまでの3度の告白をなかったことにするために、タイムトラベルする。告白する度に世界を狭くしたのではなく、その裏で別の世界を育ててきたと気づき、幸せなラストに胸がいっぱいになった。辻村さんの「ユーレイ」もよかった。自殺しようと電車で小さな駅に着いた女の子が不思議な少女と一夜を過ごす。ほんのり温かく優しい気持ちになる。島本さんと宮部さんはSFっぽくてあまり入り込めなかったけど、「私だけの所有者」はアンドロイドの想いに胸がキュッとなった。2022/10/28

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