出版社内容情報
32歳で遅咲きのデビューを果たし、人気俳優として活躍するパク・テミンは、「終わった男」ことニック・ナダンについて語り始めた。
10代の頃、ともに過ごしたヴァージニア州・アナンデールでの日々。しかし道は分かれ、ナダンは驚くべき速さで成功を収め、これまた驚くべき速さで凋落していった。
世界を股にかけるK-POPグループの一員であるという酩酊と、祖国からの追放。
挫折と成功、ふたりの男の運命が交錯する。
韓国芸能界を舞台、圧倒的彩度の独白、桐野文学の極北がここに。
“ナダンの話に興味を持つ人は、そう多くはないはずだ。
「ナダン? あのナダン? 彼は終わったよ」。
誰もがそう言うからだ。
彼はあっという間にアイドルとして頂点を極め、
俳優としても才能を認められた。
だが、十五年後には、何もかも失っていた。
これは、ナダンが驚くべき速さで成功を収め、
これまた驚くべき速さで凋落していった物語でもある。”
【目次】
内容説明
故郷を追われた「彼」は、夢の世界へ行けただろうか。人気俳優のテミンは、「終わった男」ナダンについて語り始めた。世界を掌握するアイドルの酩酊と、母国からの追放。韓国芸能界、圧倒的彩度の独白。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
234
桐野 夏生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者の新境地でしょうか、韓国芸能界を舞台にした「墜ちる男」の物語、著者の作品としては毒少なめでした。 芸能界の栄枯盛衰、流行り廃り、天国と地獄は表裏一体です。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000968.000043732.html2026/05/28
いつでも母さん
163
なんて素敵なタイトルなんでしょ。ワクワクして読み始めた。が、ん・・ん。どこまで進んでも私の好きな桐野夏生じゃな~い。私の求める桐野夏生のラストじゃないのが残念だ。私もテミンのように私自身に言う「そんな時もあるよ、私。こんなに沢山の作品を読んでいると、そんな作品もあるのだよ」はぁ。韓国芸能界、アイドルに上り詰めた一人の若者の凋落と、その彼を語る遅咲き俳優・テミンの告白。次の桐野夏生に期待する勝手な読者で申し訳ない。2026/05/24
ウッディ
126
韓国の芸能界で生きる二人の男を描いたこの作品は、これまでの桐野さんの作風からは意外な内容でした。裕福な家庭で、目標もなく楽しく人生を送りたいテミンと貧困に喘ぎながら、歌手という夢をどん欲に目指すナダン。そして韓国でアイドルグループの一員としてデビューし、圧倒的な人気を得る。その後、非凡な才能を持ちながら、芸能界で凋落していくナダンを見つめるテミンの心情を想像しながら読み終えました。テミンの冷静な目線を通じて、韓国芸能界のドロドロや徴兵制があることの難しさなどが、少し見えてきたような気がしました。2026/08/19
ちゃちゃ
80
空っぽ、空疎、空虚。韓国のトップアイドルとしてスターダムを駆け抜けたナダンの15年。貧困からの脱出、歌手や俳優としての成功、そして転落。だが、人気という移ろいやすい魔物に魅入られた己の姿が、実は虚像でしかないという事実への気づき。その代償として失ったものは、皮肉にも本当の自分、己の実像だったのではないか。ナダンは商品として消費されることに疲弊し、やがてスキャンダルを起こして芸能界から姿を消す。けれど、それは哀れな末路なのだろうか。ラストは彼が素の自分に戻り、再び世間に埋もれて暮らす姿だったのかもしれない。2026/06/26
萩
74
悪い予感ほど当たるものだ。10ページほど読んだあたりで「これはまずいぞ(面白くなさそうだ)」と思ったが見事に的中。まず筆致からよそよそしく、登場人物の体温がまったく感じられない。架空の人物感が凄い。その為主人公たちが紆余曲折しても他人事にしか感じられずまったくのめり込めない。普段の桐野作品の、ダイソン並みの吸引力はどこへ行ったの。韓国芸能界の苛烈さを書きたかったのだろうか、と考察してみたところで落ちたテンションが上がるはずもなく、ファンとしてはしょんぼり。次作に期待だ!2026/09/29




