出版社内容情報
32歳で遅咲きのデビューを果たし、人気俳優として活躍するパク・テミンは、「終わった男」ことニック・ナダンについて語り始めた。
10代の頃、ともに過ごしたヴァージニア州・アナンデールでの日々。しかし道は分かれ、ナダンは驚くべき速さで成功を収め、これまた驚くべき速さで凋落していった。
世界を股にかけるK-POPグループの一員であるという酩酊と、祖国からの追放。
挫折と成功、ふたりの男の運命が交錯する。
韓国芸能界を舞台、圧倒的彩度の独白、桐野文学の極北がここに。
“ナダンの話に興味を持つ人は、そう多くはないはずだ。
「ナダン? あのナダン? 彼は終わったよ」。
誰もがそう言うからだ。
彼はあっという間にアイドルとして頂点を極め、
俳優としても才能を認められた。
だが、十五年後には、何もかも失っていた。
これは、ナダンが驚くべき速さで成功を収め、
これまた驚くべき速さで凋落していった物語でもある。”
【目次】
内容説明
故郷を追われた「彼」は、夢の世界へ行けただろうか。人気俳優のテミンは、「終わった男」ナダンについて語り始めた。世界を掌握するアイドルの酩酊と、母国からの追放。韓国芸能界、圧倒的彩度の独白。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
竹園和明
39
光輝く流星が凄い速さで落ちて行く装丁。韓国の芸能界を疾風の如く駆け抜けそして消えて行ったニック・ナダンを、彼の友人で遅咲きのスターとなったパク・テミンが回想する物語。天賦の才能を有しそれを見事に開花させたナダンに一体何があったのか。貧困から脱し若くしてスーパーアイドルに駆け上がり、その後俳優として大成したナダンがふと感じる“何もない自分”という孤独。遅れて大成したテミンも、成功を手にして感ずる虚無に苦悩する。彼らは何を得て、何を失くしたのか。著者の描く「孤独」は、一切容赦がない。2026/04/27
ゆり
8
インタビューのような、誰かに宛てた手紙のような形式で進んでゆく独白小説。KPOPや韓国ドラマが好きなら知っているであろう、韓国の芸能業界のサイクルの早さ。なにか知らない話題や、伝えたいメッセージ性があるのかと思いましたが、そういったものもなく。内容の薄いネット記事のような。日本人のアイドルも似たようなものなので、韓国を舞台にする必要性がわからなかった。桐野さんの過去作や韓国ドラマが好きなのと、本の値段的にきっといい作品なんだろうなと期待で買いましたが、図書館で借りたらよかったと後悔2026/04/23
よんよんおばさん
5
桐野夏生さん 相変わらず登場人物に対して容赦なかったです。 ナダンの人生辛すぎました。 どこの国も芸能人のスキャンダルに対して、寄ってたかって攻撃して、ストレス解消している。 プロダクションも見捨てて、迫害に近いことをしている。 なんだかなぁ〜やりきれない。2026/05/01
名前氏
5
著者にはもっと烈しい荒々しい作品群もあると思うのだけれど、それらとは違って人間とその時間の経過がただただ切なかった。でも、桐野作品ってどこまで暴力的ななことを書いていても、どこかに悲しみや切なさがあるから、通底するものはある。2026/04/24
kaji
1
かっちょいいタイトル! これ、どなたの作品だろう、と思ったら、桐野様ではないですか。何となく挿絵がBL系、中身も男と男のアレを描いているので「ついに文藝春秋もBLか」と半分わくわく(?)していたのだがさにあらず。お隣のお国の芸能界を舞台にしていて、桐野氏らしい(?)えげつない描写も。発売前に文藝春秋の連載で読了、やっと刊行されるようですね。もっとネタバレしてもいいかなと思いましたが、このくらいで。堕ちたアイドルが半裸にされて過去のヒット曲を、という場面が秀逸。ああこれ以上は書けません、読んでね。2026/03/12




