出版社内容情報
「カスハラなんて言い出すんじゃないだろうな」
仙台の小さな老舗でホテルマンとして勤務している大山茂。
ホテルのため、顧客のため、部下にモーレツ指導を徹底し、世間知らずの妻にも躾を欠かさない。
なじみの書店では、従業員のささいな過ちも見逃さず、相手と店のことを思い、執拗に教育を施していく。
悪がはびこるこの世を憂い、ひとり断固として正義を貫く大山は、しかし周囲と深刻な軋轢を生んでいく。
世間の無理解と認知の違いを悟った大山。やがてある決断をくだし――。
【目次】
内容説明
接客のプロを自負する中年ホテルマン・大山茂。ひとたび「客」となった時、その正義感が暴走する!芥川賞作家が描く現代の悲喜劇。
著者等紹介
佐藤厚志[サトウアツシ]
1982年、宮城県生まれ。東北学院大学卒業。2017年、書店員として働くかたわら執筆した「蛇沼」で新潮新人賞を受賞しデビュー。2023年「荒地の家族」で芥川賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えんちゃん
59
芥川賞作家が描くホテルマンの「正義」の物語。仙台弁も面白いし大山茂のキャラが強烈。途中までゲラゲラ笑って読んでたけど、途中から全く笑えなくなったよ大山茂。自己肯定感が強く、世の中の曲がったことが大嫌い。間違ってる奴らには大山茂の低身長から繰り出すダイヤモンドヘッドをお見舞いだ。だがしかし。残念ながらその正義は世の中の正義ではない。独りよがりのねじ曲がった貴方だけの正義なのだ。わかってくれ大山茂!2026/01/29
まちゃ
55
仙台でホテルマンとして働く大山茂、56才。「俺は正しく生きている」と信じ、周囲に毒をまき散らす初老男性。正義という大義を振りかざす人と関わると碌なことがない。絶対に関わりたくないジャスティス・マンの物語2025/12/12
キク
53
パワハラを受けた側からの目線の本はたくさんあるけど、この本はすごい強度のパワハラ、カスハラ、DVを繰り返す主人公の一人称で最後まで語られる。自分の行動の正当化や、無自覚だけど深層心理では理解している感じや、歪みまくった現実認知を「誰よりも正しい行動」としてずっと語られ続ける読書体験は、下手なホラーよりよっぽど怖い。周りの人々を傷つけながら、次第に人々が自分から離れていくことに、自分自身も傷ついていく。「救うべき人間は、救いたいと思える形をしていない」とどこかのYouTuberが言っていた。本当にそうだった2026/01/24
かんらんしゃ🎡
40
面白い。主人公は大山茂。一言でいえば両津勘吉みたいなやっちゃ。両津から可愛げを抜いたらこうなるか。ハンパない自己肯定。自信が振り切れた過信家。ああ、でもやっぱり両津を引き合いに出すと大山という人間を見誤る。彼は『爆弾』のタゴサクと同じ種の人間だ。あるいはドン・キホーテ。生き辛さを世の中への反発に転嫁し、自分だけが正義の遂行者だと思い上がる。身近ではSNS。現代社会はそんな人間が生まれ易いのかもしれない。2026/01/21
ブルちゃん
36
ジャスティスマーーン!!大山茂、もう名前がいい、とてもいい笑 最初の何行か読んだだけで、あ、面白い🤣楽しいかも!って思えた。つかみが素晴らしい。大山茂、一般的にやばいやつ。でもなんかちょっとだけ悲しいやつ。こういうお話、最初面白くてだんだんシリアス、というのが多い気がするけど、こちらも、ややそう。わたしはできたら最後まで笑っていたいけど、それでも読みやすいし一気に読めた☺️
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