出版社内容情報
「カスハラなんて言い出すんじゃないだろうな」
仙台の小さな老舗でホテルマンとして勤務している大山茂。
ホテルのため、顧客のため、部下にモーレツ指導を徹底し、世間知らずの妻にも躾を欠かさない。
なじみの書店では、従業員のささいな過ちも見逃さず、相手と店のことを思い、執拗に教育を施していく。
悪がはびこるこの世を憂い、ひとり断固として正義を貫く大山は、しかし周囲と深刻な軋轢を生んでいく。
世間の無理解と認知の違いを悟った大山。やがてある決断をくだし――。
【目次】
内容説明
接客のプロを自負する中年ホテルマン・大山茂。ひとたび「客」となった時、その正義感が暴走する!芥川賞作家が描く現代の悲喜劇。
著者等紹介
佐藤厚志[サトウアツシ]
1982年、宮城県生まれ。東北学院大学卒業。2017年、書店員として働くかたわら執筆した「蛇沼」で新潮新人賞を受賞しデビュー。2023年「荒地の家族」で芥川賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジャッキー
3
自分に都合のいいだけの正義を正義とはいわない。正義を武器にして他人を傷つける、それが正義であるわけがないのに己の正義感に酔うあまり気づけない。正義を鎧にして自分を守っているつもりで、自己と向き合うことから逃げている。そのことに気づかぬまま。正義を履き違えるな。自分自身を履き違えるな。正義は振りかざした途端、正義から遠退いていく。つい正義に目が眩んでこの真理を忘れそうになるけど、本来の意味での正義をもって踏みとどまりたい。それこそがジャスティス・マンかも…2025/10/22
terukravitz
2
図書館本★★★☆☆2025/02/28




