出版社内容情報
「カスハラなんて言い出すんじゃないだろうな」
仙台の小さな老舗でホテルマンとして勤務している大山茂。
ホテルのため、顧客のため、部下にモーレツ指導を徹底し、世間知らずの妻にも躾を欠かさない。
なじみの書店では、従業員のささいな過ちも見逃さず、相手と店のことを思い、執拗に教育を施していく。
悪がはびこるこの世を憂い、ひとり断固として正義を貫く大山は、しかし周囲と深刻な軋轢を生んでいく。
世間の無理解と認知の違いを悟った大山。やがてある決断をくだし――。
【目次】
内容説明
接客のプロを自負する中年ホテルマン・大山茂。ひとたび「客」となった時、その正義感が暴走する!芥川賞作家が描く現代の悲喜劇。
著者等紹介
佐藤厚志[サトウアツシ]
1982年、宮城県生まれ。東北学院大学卒業。2017年、書店員として働くかたわら執筆した「蛇沼」で新潮新人賞を受賞しデビュー。2023年「荒地の家族」で芥川賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
55
仙台でホテルマンとして働く大山茂、56才。「俺は正しく生きている」と信じ、周囲に毒をまき散らす初老男性。正義という大義を振りかざす人と関わると碌なことがない。絶対に関わりたくないジャスティス・マンの物語2025/12/12
かんらんしゃ🎡
36
面白い。主人公は大山茂。一言でいえば両津勘吉みたいなやっちゃ。両津から可愛げを抜いたらこうなるか。ハンパない自己肯定。自信が振り切れた過信家。ああ、でもやっぱり両津を引き合いに出すと大山という人間を見誤る。彼は『爆弾』のタゴサクと同じ種の人間だ。あるいはドン・キホーテ。生き辛さを世の中への反発に転嫁し、自分だけが正義の遂行者だと思い上がる。身近ではSNS。現代社会はそんな人間が生まれ易いのかもしれない。2026/01/21
よっち
22
仙台の小さな老舗で働くホテルマン・大山茂。正義を貫く独善性がもたらす悲劇を描いた1冊。部下にモーレツ指導を徹底し、世間知らずの妻に躾して、なじみの書店では従業員の過ちを見逃さず、相手と店のことを思い執拗に教育を施していく大山の行動は、今の時代では紛れもなくモラハラ・パワハラでしかなくて、周囲との深刻な軋轢を生み、孤立していくのも必然の展開でしたが、なぜそうなってしまうのか理解できない大山が、妄想が膨らませて勤めていたホテルを「悪の巣窟」と見なしていくその末路には、「正しさとは何か」を考えさせらえれました。2025/12/15
おかむら
20
「荒地の家族」で芥川賞受賞した元仙台丸善書店員佐藤さんの新作。荒地は震災後県南の植木屋さんのどんよりした日々を描いた地味目な作風でしたが、今回は独りよがり正義漢ホテルマンの暴走ブラックコメディ。こういう感じも書けるんだ! 書店でのカスハラっぷりが最悪で酷面白かったわ。2025/12/15
かめぴ
11
初著者。正義感溢れる、と響きは良いが暴走しがちな面もあり、もちろん暴走するんだけど、それが分からない大山茂。大山…如何にも大暴れしそうだし。自分だけが気付かない悲劇。は波紋のように広がって…。イヤな読後感。2025/12/22
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