出版社内容情報
二人の恋の炎は、すべてを焼きつくす。
京都と東京を舞台に描く、集大成的恋愛小説
「誰かを傷つけるのはこわいけど、傷つけなければ生まれない感情もある。」--綿矢りさ
京都に暮らす久乃(ひさの)は、中学校の入学式で出会った同級生の綸(りん)にひと目で惹かれ、二人は周囲の偏見にも負けず、手さぐりで愛をはぐくんでいく。
「名前なんか、どうでもいーやん。私は久乃が好き。久乃は私が好き。それで十分やろ」
しかしあることがきっかけで二人は決定的に引き裂かれる。
そして十数年後、東京の会社に勤める久乃は思いがけない形で綸に再会するのだった--。
綿矢りさ史上最長、圧巻の1300枚!
【目次】
内容説明
京都に暮らす久乃は、中学校の入学式で出会った同級生の綸にひと目で惹かれ、二人は周囲の偏見にも負けず、手さぐりで愛をはぐくんでいく。しかしあることがきっかけで二人は決定的に引き裂かれる。そして十数年後、東京の会社に勤める久乃は思いがけない形で綸に再会するのだった―。
著者等紹介
綿矢りさ[ワタヤリサ]
1984年、京都府生まれ。2001年「インストール」で文藝賞を受賞しデビュー。04年「蹴りたい背中」で芥川賞受賞。12年「かわいそうだね?」で大江健三郎賞、同年に京都市芸術新人賞、20年「生のみ生のままで」で島清恋愛文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
178
綿矢 りさは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 著者の最新刊は、最長編にて、一部私小説入っているでしょうか?、百合恋愛大河小説の大作でした。本作にここまで頁数が必要だったかは、疑問です。続編もあるかも知れません。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163920092 【読メエロ部】2025/09/05
美紀ちゃん
66
悠木久乃、朱村綸、æ(アッシュ)→このマークは二人の間ではハートの意味。中学2年生の久乃は学校で「レズ」と噂されて心に傷を負う。噂を無視できない久乃。モヤモヤして久乃は綸に辛くあたる。ひどい言葉で綸を傷つけてしまった久乃。卒業式にひどい別れ方をした。綸の幼馴染の橋本くんは実は事情を知っていてずっと陰ながら2人を支えていてくれた。大人になって再会した時にも。橋本くんグッジョブ。そこまで好きだったら、周りなど気にしないで、もう一生一緒にいたらいいと思うが波風に弱い2人。綸に赤ちゃんができた。希望の光さすラスト2025/09/24
pen
35
第一部、京都。中学の入学式で出会った久乃と綸。二人は惹かれ合い、拙き愛を紡いでいく。「あのこたち、レズやねんて」周囲の誹謗と偏見からやがて破局を迎える。 第二部、東京。時は流れ、32歳の二人は東京で再会する。うーん634P 長い(笑) 他の方のレビューには長さが気にならなかったとのコメントもあるが、こんなおじさんには第一部の中学時代で挫折しそうになった。テーマは明白。でも女性同士の感情の表現では「生のみ生のままで」の方が印象に残っている。中学時代、そして現在。傍で寄り添ってくれた橋本君の存在が救い。2025/09/10
ぽてち
33
綿矢さんの最新刊は、『生のみ生のままで』と同じく女性同士の恋愛を描く634ページの大作である。『生生』の自分のレビューを読み返すと“なんちゃってLGBT”と書いていた。本作はどうだろう。二部構成で、第一部「13歳、出会い」は半分以上を占める。主に中学時代の出来事が描かれている。ここを読むのがとても苦痛で、投げ出しそうになった。第二部「32歳、再会」は成長してからの2人が描かれる。読了して振り返れば、年齢によって時間の密度が違うのだと納得した。丁寧に紡がれた作品だが、2人の感情の揺らぎは理解できなかった。2025/09/21
信兵衛
23
本作において魅力を感じる登場人物はというと、久乃と綸そのどちらでもなく、いつも二人の間にいる存在=綸の幼馴染みで久乃とも親しくなる橋本将太。 この人物の存在がとても好い。常に二人の間に在って、アクセントのような存在感を発揮しています。そして、最後に将太が打ち明けた事実にも驚かされます。2025/09/18