内容説明
人生のせつなさ、不思議さ。宮城谷昌光が傘寿を迎えて、自ら選んだ珠玉の八作。単行本・文庫未収録作「宋門の雨」を含む。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945年、愛知県蒲郡市に生まれる。早稲田大学文学部卒。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事、創作をはじめる。その後、帰郷。長い空白を経て、「王家の風日」を完成。1991年、「天空の舟」で新田次郎文学賞。同年、「夏姫春秋」で直木賞。1993年度、「重耳」で芸術選奨文部大臣賞。1999年度、司馬遼太郎賞。2001年、「子産」で吉川英治文学賞。2004年、菊池寛賞。2006年、紫綬褒章。2015年度、「劉邦」で毎日芸術賞。2016年、旭日小綬章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まえぞう
27
著者自薦の短編集です。全8編のうち7編が既刊で、本も持っているし、読んだこともあります。墨子を扱った「宋門の雨」だけが初めてです。こういうやり方は、CDのベストアルバムによくありますが、長年のファンだと、その一作のためにどうしても手が出てしまいます。いずれも30年くらい前の作品で、既刊の作品は久しぶりに読ませてもらいました。全体の筋の面白さというよりは、キラッとする逸話の輝きということでしょう。2025/03/06
BIN
6
自選短編集ということで玉人、侠骨記、花の歳月の短編と未収録だった「宋門の雨」が含まれてます。宋門の雨は墨子の短編で、ラストは知られた内容だがそんな落ちがあったのかと楽しめました。発明家公輸子もよかった。運悪く未収録だったようだ。タイトルの桃中図はフランスの作品をヒントに書かれたもののようで、あまり読まれていない外国の作品を中国風にアレンジしたものというのも読みたいですね。忘れていたが、花の歳月は竇広国はいい男だな。2025/02/28
勝也成瀬
4
おそらく「宋門の雨」以外は読んでことがあるはずだが、忘れてるなー。「花の歳月」は良かった。著者も言っているが、どうしても長編小説がメインで短編小説はちょっと影が薄いかな。しかし、なかなかいいと思った。2025/04/21
koba
4
傘寿を迎えた筆者の自薦短篇集。英傑・英雄の陰に埋もれたままの人物、外戚世家を取り上げた8篇。皇帝になる前の舜の若き時代を描いた「布袋の人」、文帝皇后と弟の数奇な運命を描いた「花の歳月」は出色。2025/04/05
まろんKK
4
☆3 宋門の雨での墨翟(墨子)の(非攻)の思想ー戦争に勝って手に入れた領土が生産するものと、その領土を獲得するまでに費やされた人と費用を差し引きして、どれほどの利益があるというのかむしろ損失のほうが大きいのではないかーで墨子の思想と生きざまに俄然興味がわいた。現代の為政者に墨子を学べと言いたい。話はともあれ古代中国の国の様に関心をもてた。2025/03/09
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