内容説明
静かな時間が流れる、いつもの小蔵屋。しかし、お草の心には一抹の不安が。一つ、小蔵屋へ不審な間違い電話が相次いでいる。もう一つ、久実の婚約者・一ノ瀬が8ヵ月以上も店に顔を出さないのだ―。小蔵屋に、何が起こっているのか?
著者等紹介
吉永南央[ヨシナガナオ]
1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学卒業。2004年、「紅雲町のお草」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。08年、同作を含む『紅雲町ものがたり』(文庫化に際し『萩を揺らす雨』に改題)で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itica
57
これはどうしたことだろう?いきなり7年の間が空き、草(そう)の店、小蔵屋も従業員の久美も大きく変わっていた。何故そうなったのかは追い追い分かってくるのだが、当然のようにそこに在るもの、そこに居る人、その空間が永遠に続くかのようにぼんやりと思っていた私は、軽い衝撃を受けた。そして何の落ち度もない草に降りかかる災難にも憤る。明るい兆しが見える終わり方ではあるが、これからの行方が気に掛かる。 2024/11/04
nyanco
33
「紅雲町珈琲こよみ」シリーズ、毎回楽しみにしている作品。 新作もワクワクで読み始めたら・・・第二章でいきなり7年後のお話。 公介さんの登山の様子から始まり、え!久美ちゃん、公介と別れて別の人と結婚して子持ちになってる? ええええ~!となったのですが、7年経ったら草さんはお元気なの?と心配したら、小蔵屋は閉店? もう急展開に翻弄されました。第3章では久美ちゃんの今の辛い暮らしまで分かり・・・ ミントグリーンの大学生達の正体がわかり、草さんどうなったの!!・・・続→2024/11/28
みい坊
29
小蔵屋まさかの閉店。ショッキングな展開が辛過ぎて読む手が止まった。これまでお草さんに励まされ,何度背筋が伸びた事か。大好きなシリーズだった。それでも思う、カルト宗教に利用される事を拒否し、同時に小蔵屋に集う人を守る為の決断はお草さんらしいと。最後に、またお草さんに会える予感がしたのが嬉しい。そして前回まで何となく不穏だった一ノ瀬さんと久美ちゃんの関係。今回は2人の破綻と再生の物語でも。7年の歳月を経て大切な存在を確認した2人。これからは幸せにねって、ずっと2人を見てきた親戚のおばさん的な気持ちになった。2024/11/20
えみちゃん
13
「紅雲町珈琲こよみ」の最新刊です♬ようやく収まるべきところに収まったように見えた久実ちゃんたち。てっきりそのままゴールインかと思いきや驚きの展開に・・。このシリーズ、ゆったりとした刻の流れに身を任す感じでそんなに時間が流れることはないのですがいきなり7年の刻が流れ公介さん、海外で山に登っているじゃないですか・・。そして久実ちゃんは別の男性と結婚して子供までいる⁉いつでもそこにあると思っていた小蔵屋が閉店‼そしてお草さんの行方すらわからない!!!とまるでジェットコースターに乗っているかのような展開に2024/11/09
ふわりん
12
毎巻楽しみな小蔵屋のお草さんの物語、待ちに待ってた。今回は時が行ったり来たりするけど、わかりやすく書かれてるので全然戸惑いなく読み進められた。ただその内容は別れから始まり別れに終わるもので読みながら気持ちがダダ下がり。でも幸いなことに最初の別れの二人が再会からの復縁、その二人がチラッと遠目で会いたい人に再会するという希望の光が見えたのがとっても嬉しかった。吉永さんは本当にさりげない情景を書くのが上手い作家さんだと思う。これが一区切りのカンマということで、吉永さん、早めの再会を楽しみにしてお待ちしています。2024/11/04