内容説明
静かな時間が流れる、いつもの小蔵屋。しかし、お草の心には一抹の不安が。一つ、小蔵屋へ不審な間違い電話が相次いでいる。もう一つ、久実の婚約者・一ノ瀬が8ヵ月以上も店に顔を出さないのだ―。小蔵屋に、何が起こっているのか?
著者等紹介
吉永南央[ヨシナガナオ]
1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学卒業。2004年、「紅雲町のお草」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。08年、同作を含む『紅雲町ものがたり』(文庫化に際し『萩を揺らす雨』に改題)で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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itica(アイコン変えました)
65
これはどうしたことだろう?いきなり7年の間が空き、草(そう)の店、小蔵屋も従業員の久美も大きく変わっていた。何故そうなったのかは追い追い分かってくるのだが、当然のようにそこに在るもの、そこに居る人、その空間が永遠に続くかのようにぼんやりと思っていた私は、軽い衝撃を受けた。そして何の落ち度もない草に降りかかる災難にも憤る。明るい兆しが見える終わり方ではあるが、これからの行方が気に掛かる。 2024/11/04
がらくたどん
64
10巻目のアクション巨編から前の巻でいつものお草さんVSご近所に忍び寄る謎に戻って来たかと油断していたら・・。書影の帯の惹句がショッキング。小蔵屋をめぐる現在と7年後とその7年間。そこで描かれるのは小さな町のささやかな日常に気づかないうちに巧妙に穿たれた「赦し」という陥穽。お草さんは?小蔵屋は?胸騒ぎの中で辿り着いた最後の第5章。第1章・3章の現在パートからの続きを描いた衝撃の1と3の間挟まれた30ページが見せてくれた景色は虹の向こうの未来なのかそれとも?お草さんならワンピースもおかっぱヘアも似合うかも♪2025/01/05
ひさか
43
2024年10月文藝春秋刊、書き下ろし。シリーズ12作目。友とテーブルで、山の頂き,梅の園-七年後-、それぞれの昼下がり、森に眠るサンゴ-七年間,語られなかったこと-、時の虹、の5つの章で構成。この展開はもしかして夢オチか。と思った。しかも悪夢。どうもそうではなく現実のようで、連続性のない展開なのかも。まるで異世界が描かれているようだ。読まなかったことにしようといいたくなる。2024/12/31
nyanco
42
「紅雲町珈琲こよみ」シリーズ、毎回楽しみにしている作品。 新作もワクワクで読み始めたら・・・第二章でいきなり7年後のお話。 公介さんの登山の様子から始まり、え!久美ちゃん、公介と別れて別の人と結婚して子持ちになってる? ええええ~!となったのですが、7年経ったら草さんはお元気なの?と心配したら、小蔵屋は閉店? もう急展開に翻弄されました。第3章では久美ちゃんの今の辛い暮らしまで分かり・・・ ミントグリーンの大学生達の正体がわかり、草さんどうなったの!!・・・続→2024/11/28
みい坊
36
小蔵屋まさかの閉店。ショッキングな展開が辛過ぎて読む手が止まった。これまでお草さんに励まされ,何度背筋が伸びた事か。大好きなシリーズだった。それでも思う、カルト宗教に利用される事を拒否し、同時に小蔵屋に集う人を守る為の決断はお草さんらしいと。最後に、またお草さんに会える予感がしたのが嬉しい。そして前回まで何となく不穏だった一ノ瀬さんと久美ちゃんの関係。今回は2人の破綻と再生の物語でも。7年の歳月を経て大切な存在を確認した2人。これからは幸せにねって、ずっと2人を見てきた親戚のおばさん的な気持ちになった。2024/11/20
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