月ぞ流るる

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月ぞ流るる

  • 澤田 瞳子【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 448p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163917788
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

紫式部が生きた平安中期を描く、豪華絢爛宮中絵巻。

日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか?

宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。

宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。

朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。

内容説明

宮中きっての和歌の名手と言われる朝児は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮〓子の女房として再び宮仕えをすることになる。朝児が目にした平安貴族たちの喜びと悲しみから生み出されたものとは。

著者等紹介

澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年、京都府生まれ。同志社大学文学部卒業、同大学院博士前期課程修了。2010年に『孤鷹の天』でデビューし、2011年同作で中山義秀文学賞を最年少受賞。2013年『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞、2016年『若冲』で親鸞賞、2020年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、2021年『星落ちて、なお』で第一六五回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

160
傍目には華やかな平安宮中絵巻の背後では、激烈な権力闘争が渦巻いていた。勝者が総取りし敗者は全てを失う残酷な政治の世界に巻き込まれた赤染衛門(朝児)は、栄華の頂点を極めつつある藤原道長が主役の物語ではなく、敗れ去ったり阿諛追従するしかない者の生き様を史書に残そうと願う。自らの娘すら権力の道具にする道長に対し、人らしい弱さや怒り故に没落した姿の涙を後世に残すのが、政治に関われない女の務めと覚悟したからだ。『栄花物語』を書くまでの朝児の成長ドラマと朝廷の群像劇が重なり、歴史の暗黒面を浮き彫りにする手腕が見事だ。2024/01/16

hiace9000

153
「心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな」 百人一首でも馴染みの歌が、帝の孤心苦衷の胸の内を吐露し苦吟されしものだったとは…。返歌として詠まれた古歌「…月ぞ長るる」は、新たな意で名場面を切り取り、鮮やかに浮かび上がらせる。赤染衛門が現世に転生したかのような、たおやかで力強く、細やかにしてしなやかな筆致は、読み手を丸ごと作品世界へ移遷させてくれるよう。"人間の世々の不変の営みと古しえより今日に至る歴史もすべて本の中にあるー" 朝児に仮託し書物を語るくだりに、今作の主題と作り手の矜持を観る。2024/03/16

ちょろこ

120
赤染衛門から見た宮中絵巻の一冊。三条天皇の中宮、姸子の女房として再び宮仕えをすることになった朝児(赤染衛門)の視点で、藤原道長vs三条天皇の政争、御簾の向こうの宮中絵巻を描いた物語。ほんのりミステリ要素を含みながらの惹きこまれ感は文句なしの味わい。帝の排斥しか頭にない道長の豪胆さのその裏で流される幾つもの涙は否応なしに胸を打つほど。それを目の当たりにした赤染衛門は何を感じ、自分はどうすべきか…逡巡しながら、物語の存在意義へと辿り着く描き方が良かった。板挟み、駒にされた女たちの哀しみあっての平安時代を実感。2024/04/17

チーママ

91
すご〜く面白かった。藤原道長が栄華を極めた平安の世。同じ時代を生きた女流歌人の朝児が、それをどう受け止め何に気づいたのかを描いた物語。50代半ばで寡婦になった朝児は、行動を干渉する息子、母の来し方を認めぬ娘に虚しさを覚え傷ついていたが…。ひょんなことから僧侶見習いの頼賢に学問を教えることになった朝児は、いつのまにか運命の渦に巻き込まれていく。帝と道長との対立、頼賢の憎しみの先に見えた真相に朝児は何を思うのか。めくるめく展開にすっかり夢中になった。澤田さんの奥深さを知った作品。これからも追いかけていきたい。2024/03/29

がらくたどん

77
直木賞受賞時所感だったと記憶するが同じ時代小説作家の母上からの唯一の助言めいた事として「古代は売れない」と言われ内心で「面白ければよいのでは?」と思ったエピソードを披露されていた。本作、平安道長全盛三条天皇の御世。道長は異母妹(綏子)祖父ちゃんの兄弟の孫(娍子)兄ちゃんの娘(原子)が入内しているところに自分の娘(妍子)を強力プッシュせんと自分の奥さんに仕えていた赤染衛門を再出仕させる。この充分ややこしい状況に原子殺害疑惑を絡め犯人は?方法は?そして黒幕は?と既に老境寡婦の赤染が迫る。考証完璧どエンタメ♪2024/01/04

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