出版社内容情報
お草が営む珈琲豆と和食器の店・小蔵屋が、高名な映画監督の新作の撮影候補地になった。店員の久実や常連客たちは色めき立つが、お草は店の通常営業ができなくなると、乗り気になれない。だが監督と面会すると、その件とは別に、お草は別のお願いをされる。彼に大きな影響を与えた古い映像作品を作った、ある無名の男を捜してほしいというのだ。わずかな情報とおぼろな記憶を頼りに、お草は男の姿を追うが――。彼はいったい誰なのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
84
タカハシマートの一族の関係とか複雑でよくわかんなかった。公介も寺田も家のことを気にしている。もっと自由に生きればいいのに。とにかく久実が幸せになれるといい。朔太郎が一番自由だ。2025/04/20
ゆみねこ
84
今作は小蔵屋が人気映画監督の新作の撮影候補地に?!監督との面談で撮影とは別にある映像作品を作った無名の男を探すことを頼まれたお草さん。相変わらずの推理力で探していた人物を見つけだす。そこに隠されていた家族の秘密。従業員久実ちゃんの行手も明るい。前作はあれれという内容だったが、いつもの作風に戻った感じで良かった。2023/10/30
itica(アイコン変えました)
78
小蔵屋が映画に出るかも⁉有名映画監督の要望で候補に挙がった小蔵屋。今回はミーハーな展開か?と思ったが、その監督の人探しを手伝うことになったお草さん。いやあ、色々ドラマがあった。過去のこと、そして従業員の久実と恋人のこと。お草さんの探偵並みの勘も衰えていなかった。面白い回だったな。小蔵屋の試飲の珈琲を飲みながらお草さんとの他愛もないおしゃべりを夢想しながら次回作を待とう。 2023/10/27
がらくたどん
71
すっかり梅雨時を過ぎてしまいましたが11冊目の紅雲町♪前作が和服姿のおばあちゃん探偵とは思えないアンタッチャブルな展開だったのでちょっと心配していたが、ちゃんとコージーに戻り一安心。お草さんの名推理は狭い町の警察沙汰でもない、でも深く切ない時間と人の縺れを解く方が私は好き。雨の中、割れ物ゴミを持ち去る怪しい自転車男の出現で始まる本作。小蔵屋をロケに使いたいという人気映画監督から頼まれた「無名の映像作家」探しにお草さんが奔走する。我らが久美ちゃんの人生行路も絡み、謎解きと人情の機微が雨だれ越しに浮き上がる♪2024/01/09
rosetta
36
★★✮☆☆短い話なのに今作は凄くリーダビリティが悪く感じた。描写がまるで頭に入ってこなくて風景や人間関係が全く見えない。もうこのシリーズは読まなくてもいいか。海外の映画祭で受賞するような監督の次回作に小蔵屋が舞台の候補になる。監督から若い頃に感銘を受けたアマチュア映画を作った人物の人探しを頼まれる。店の割れ物を持ち去った事から朔太郎と言う若い前衛芸術家と知り合う。前作から間が空いているのに当たり前のように説明なく話を続けられても着いていけない。2023/11/21
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