新しい自由論―パンデミックを終わりにするための

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新しい自由論―パンデミックを終わりにするための

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  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163916996
  • NDC分類 498.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

この5月で新型コロナは2類から5類に移行し、日本のパンデミックもやっと終わりを告げることになった。
世界でパンデミックが発生した当初こそ、欧米での死者のあまりの多さに比べ、日本ではそこまでの被害が出ていなかったことから、ファクターXなどと、日本の特殊性を強調する声もあがった。
しかし、それは幻想だった。欧米ではいち早くパンデミックを終息させ、マスクのない日常を取り戻しているのに、日本ではだらだらと感染拡大は続き、丸3年たってもマスクを外せない暮らしが続いていた。
なぜなのか。
それは、日本が人権を制限できない国だからだ。
前の戦争の反省から、日本は人権の制限に極端に及び腰な国家になった。
しかし、感染症対策は、どこかで人権を制限しなければ効果的に行えないところがあるのだ。
たとえば行動の自由を制限するロックダウン。欧米ではほとんどの都市でロックダウンが行われたが、日本では「お願い」「自粛」のレベルでしか行動は制限されなかった。
今回のパンデミックが史上初めてワクチンによって終息するものとなることは最初から明らかだった。しかし、日本ではワクチンの接種も「推奨」であって、「義務」ではなかった。

本書はWHOでパンデミック対策に従事したこともある筆者による、新しい自由論である。
筆者は、感染症対策が、植民地経営と密接な関係にあることに着目。日本も台湾や朝鮮といった植民地を持っていた戦前は防疫先進国であったことを明らかにする。また、感染症対策が、戦争のたびごとに進化してきた事実に触れる。
そこから、ある程度人権を制限した中でなければ、対策の効果が出ないことを明らかにしていく。
人権は大切だが、それが制限される局面もある。国家は国民を説得し、そのことを許してもらわなくてはならない。それこそが、今後、国家に期待される役割なのである。

国民は3年間、不自由に耐え、できることはすべてやった。あとは政府の決断だけだ。

内容説明

感染症対策と戦争は似ている。ある程度、人権を制限しなければ、効果的に目的を達成することは難しい。都市のロックダウンやワクチン接種の義務化、どれも市民の自由を奪う。欧米はそれを民主的な方法でやり遂げ、パンデミックから抜け出した。日本はどうだろうか―。

目次

第1章 生物兵器開発と感染症
第2章 民主化がもたらした新型コロナ国防の弱点
第3章 日本産ワクチンはなぜできなかったのか
第4章 世界のワクチン開発競争
第5章 スタート地点に立っていなかったワクチン獲得競争
第6章 開発競争での敗戦が意味するもの
第7章 ウイルスの起源、研究所漏洩説
第8章 ワクチンを接種しない自由
第9章 守るために制限する自由

著者等紹介

村中璃子[ムラナカリコ]
医師・ジャーナリスト。同志社大学大学院生命医科学研究科客員教授、京都大学大学院医学研究科非常勤講師。一橋大学社会学部卒、同大大学院社会学研究科修了後、北海道大学医学部を卒業。WHO西太平洋地域事務局では新典・再興感染症のサーベイランスおよびパンデミック対策に、独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員としては新型コロナワンチンの治験に携わる。新型コロナパンデミック下ではWHOのコミュニケーション・コンサルタントを務めた。二〇一七年、子宮頸がんワクチンに関する一連の著作活動により、科学誌「ネイチャー」等が主催するジョン・マドックス賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

belalugosi6997

8
自由を守るため、自由を取り返すためには個人の自由が一時的、部分的に制限されることもある。ワクチン接種が義務化された国でも結果として 義務化が見送られた国でも、その認識はパンデミックを通じて確実により広く共有されることになった。 多大な命と経済の損失の後、欧州で人々が理解したのは自由とは最初からそこにあるわけでも勝ち取ったら終わりでもなく、時や文脈に応じてその意味を繰り返し問い直し、理性と努力で守っていく必要があるというただ一つの真実である。 補足、日本が何故ワクチン開発戦争に参戦しなかったか?良く解った。2023/08/26

coldsurgeon

8
パンデミックという緊急事態における自由や民主主義の価値や意味について考える、というテーマで、科学的根拠も踏まえ、語る。自由とは、最初からあるわけではなく、勝ち取ったら終わりではない。時と文脈に応じて、その意味を繰り返し問い直し、理性と努力で守っていく必要がある。自由を守るため、自由を取り返すためには、個人の自由が一時的、部分的に制限されることもある。日本の社会ではパンデミックは嵐のようにいずれ立ち去ると考える人が多いが、本来は積極的に終わらせるものだろう。パンデミックに対応できない感染症法の見直しが必要。2023/08/10

木ハムしっぽ

6
独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所の研究員である著者がパンデミックの歴史を振り返りながら新型コロナに対するヨーロッパと日本の対応を比較して痛切に日本政府を批判する。民主主義国家の自由とは、パンデミックのような非常事態においては状況に応じて国民の自由を強制的に制限と緩和を指示する事こそが国民の生命を最大限に守り、自由を早期に回復させるのだと。そのためには科学的な分析と政治決断が欠かせない。全く諸手を挙げて同感。日本の現政権と専門家会議及びマスメディアの新型コロナ対応には憤りを感じる。2023/10/05

gokuri

5
2023年5月に発行の、コロナ対応の経過を振り返った本。兵器としての病原菌、ウィルス研究の実態など多くがとても興味深い。著者はドイツの研究所でパンデミック対策にかかわっていただけに、日本のコロナ対応に対する批判は厳しい。とくにオミクロン以降の2類から5類への以降手順やその間の医療ひっ迫など日本の対応の遅さはそのとおりだ。日本人の政府、世間とのかかわり方と欧米における個人の自由・権利とそれを制約する国家との対峙、感染症対応やパンデミックに対してきわめて異なる対応がされたということだと感じる。2024/01/20

030314

3
「忘れてはならないのは、これだけの被害を経験しても人類はなおパンデミック再発防止の枠組みを持っていないことだ」「日本人一人一人は国の要請や推奨に従いやれることはすべてやってきた。だから、今度は国が仕事する番だ」以上、抜粋。新型コロナ騒動が始まって4年、自分も専門家と称する人達や行政やメディアに翻弄されて、全体像がわからなくなっていた。そのまとめとして考える機会を与えてくれる内容。読み応えある。2023/08/16

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