出版社内容情報
直木賞受賞、累計290万部の人気シリーズ17年ぶりに復活!
低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?
内容説明
トンデモ精神科医・伊良部、復活!ワイドショーに出演することになった伊良部とマユミ。放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年、岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て、97年『ウランバーナの森』で作家デビュー。2002年『邪魔』で大薮春彦賞、04年『空中ブランコ』で直木賞、07年『家日和』で柴田錬三郎賞、09年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1024
久しぶりにあの伊良部先生が戻ってきた。相変わらずの伊良部ぶり。違いといえば、コロナ禍で誰もが行動の自由を阻害されているくらい。しかし、どうやら変容もまた見られるのだ。周囲の常識的な行動規範やペースとは全く無関係な基準で動き回っていた伊良部。精神科医としても、飛びっきり常識外れだったはずなのに、今回はどうしたことか型破りではあるものの、医者としては存外にまともである。そして、この傾向は6篇の後になるほどより顕著である。したがって、患者の癒され方も尋常。これでいいようにも、かつての破天荒がいいようにも…。2023/11/16
夢追人009
859
人気シリーズ復活の4冊目は原点回帰の全5編でしたね。伊良部医師もマユミちゃんも17年の時が流れてもサザエさん一家のように少しも変わっていませんでしたね。深刻なコロナ禍も何のその全く落ち込んだりせずにブラック・ユーモア連発で明るく笑い飛ばしてくれますね。元気があれば何でもできる!の精神で諦めずに頑張ろうと読者を勇気づけてくれますよ。視聴率を追いかけるワイドショー、煽り運転をしかける心ない野郎ども、金に心を乗っ取られたディートレーダー、広場恐怖症のピアニスト、社交不安障害の若者。現代社会が生み出す問題の数々。2023/09/29
パトラッシュ
837
神経質だったり心が弱くて生きづらいと訴える患者を、彼らが考えもしなかったことをさせるのが伊良部流の行動治療。みなマジメで仕事に集中する性格だけに、目の前の仕事しか見えなくなってしまったのを見抜き、思い切り発散させてリフレッシュに導こうとする。怒りを溜め込むタイプには大暴れさせ、金儲けしか考えられないデイトレーダーに散財させ、不安障害のピアニストにロックを演奏させるのだから。精神治療のノンフィクションでは拘束して薬漬けにする話ばかり出てくるが、そんな現状へのアンチテーゼとして理想の精神科医を創造したのかも。2023/05/28
tetsubun1000mg
809
10何年ぶりだろうか? 伊良部先生の名前を見るだけで「面白いって!」反応してしまう。 看護師のマユミちゃんも健在で年を取らないね。 視聴率に悩むTVプロデューサーがよりによって伊良部先生を番組に出すなんて。 結末が分かっているけど想像の遥か先を言ったコメントが相変わらず良い。 今回はマユミちゃんも出番が多くて結構活躍している。 午後のワイドショーでの登場だが場所や相手によって変わらないのが伊良部先生。 奥田英朗さん、これからも時々書いて欲しいです。 相変らずスカッと爽快にさせてくれるような読後感は健在。2023/08/14
starbro
803
奥田 英朗は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。人気シリーズ17年ぶりの最新作、連作短編集、伊良部先生&マユミちゃんのパワー炸裂でした。オススメは、表題作『コメンテーター』&『ピアノ・レッスン』です。ブラック・ヴァンパイアのLIVEを観てみたい🎵 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639168732023/06/09
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