出版社内容情報
ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書!
人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。
下巻では、「民主制」が元来、「野蛮」で「排外的」なものであることが明らかにされ、「家族」から主要国の現状とありうる未来が分析される。
「核家族」――高学歴エリートの「左派」が「体制順応派」となり、先進国の社会は分断されているが、英国のEU離脱、米国のトランプ政権誕生のように、「民主主義」の失地回復は、学歴社会から取り残された「右派」において生じている。
「共同体家族」――西側諸国は自らの利害から中国経済を過大評価し、ロシア経済を過小評価しているが、人口学的に見れば、少子高齢化が急速に進む中国の未来は暗く、ロシアの未来は明るい。
「直系家族」――「経済」を優先して「人口」を犠牲にしている日本とドイツ。東欧から人口を吸収し、国力増強を図かるドイツに対し、少子化を放置して移民も拒む日本は、国力の維持を諦め、世界から引きこもろうとしている。
内容説明
下巻では、「民主制」が元来、「野蛮」で「排外的」なものであることが明らかにされ、「家族」から主要国の現状とありうる未来が分析される。「核家族」―高学歴エリートの「左派」が「体制順応派」となり、先進国の社会は分断されているが、英国のEU離脱、米国のトランプ政権誕生のように、「民主主義」の失地回復は、学歴社会から取り残された「右派」において生じている。「共同体家族」―西側諸国は自らの利害から中国経済を過大評価し、ロシア経済を過小評価しているが、人類学的に見れば、少子高齢化が急速に進む中国の未来は暗く、ロシアの未来は明るい。「直系家族」―「経済」を優先して「人口」を犠牲にしている日本とドイツ。東欧から人口を吸収し、国力増強を図るドイツに対し、少子化を放置して移民も拒む日本は、国力の維持を諦め、世界から引きこもろうとしている。
目次
第11章 民主制はつねに原始的である
第12章 高等教育に侵食される民主制
第13章 「黒人/白人」の危機
第14章 意志と表象としてのドナルド・トランプ
第15章 場所の記憶
第16章 直系家族型社会―ドイツと日本
第17章 ヨーロッパの変貌
第18章 共同体家族型社会―ロシアと中国
追伸―リベラル・デモクラシーの将来
著者等紹介
トッド,エマニュエル[トッド,エマニュエル] [Todd,Emmanuel]
1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ令崩壊」を、『帝国以後』(2002年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に“予言”
堀茂樹[ホリシゲキ]
1952年生まれ。慶應義塾大学名誉教授(フランス文学・思想)。翻訳家。アゴタ・クリストフの『悪童日記』をはじめ、フランス文学の名訳者として知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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