出版社内容情報
高橋 弘希[タカハシ ヒロキ]
著・文・その他
内容説明
天賦の作詞作曲の才に恵まれた福田葵。幼馴染と組んだバンドが、とうとう大手レコード会社の目に留まった。プロデューサーの条件を受け入れた葵は―。バンドのデビューのために幼馴染を外すことを選んだ。その瞬間から音楽の神は葵にますます愛を注ぎ始め、―あるいは天罰を下す。
著者等紹介
高橋弘希[タカハシヒロキ]
「指の骨」で第四六回新潮新人賞受賞。『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』で第三九回野間文芸新人賞受賞。「送り火」で第一五九回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
140
バンドほど濃厚な人間関係に満ちた世界はない。音楽好きの若者が集まり好きに歌ったり演奏しているうちはいいが、やがてメンバー間で方向性の違いや能力差が残酷なほど露呈してくる。ビジネスが絡めば音楽以外の要求や都合にも応じる必要に迫られ、常に注目されるプレッシャーによるストレスにさらされながら売れる音楽を作り続ける苦しみと闘わねばならない。人は過去を切り捨てて割り切れるほど強くないので、酒やセックスに逃げたり薬物や暴力に走る。音楽の才能はあったが生き方の下手な葵が、重みに耐え切れず爆発してしまう姿は切なく哀しい。2022/09/09
クリママ
57
幼いころ母が買ってくれたおもちゃのピアノから音楽に目覚め、高校時代に幼馴染達とバンドを組み、作詞作曲の才能を見出され、メジャーへ駆けあがっていく。90年代の楽曲、アーティスト名も多数あげられるが、その頃のことを知らず、頭の中に音楽が鳴らないのが悔しい。初期メンバーは総交代し、ついには狂気へ走る。少年の日々、メンバーへの思い、彼女との生活、ステージ上の姿、対外的な言葉遣い‥それぞれがバラバラで統一感がなく、主人公の姿がつかめない。何よりも、読んでいる最中に、高橋弘樹作品と感じられないのが、残念だった。2023/01/08
NAO
55
デビューする代わりにメンバーの入れ替えを打診されたバンドマン福田葵の苦悩と再生。交替を示唆されたのは葵の幼馴染でバンドのリーダー、推薦されたベーシストは、なんと15歳の少年。葵は逡巡したが、リーダーが身を引いてメンバー交代、葵たちはロックスターになった。その後の葵は破滅的な生きざまのあとに再生するのだが、紆余曲折が凄すぎる。バンドマンにありがちなことをてんこ盛りしたみたいな印象を受けた。2026/01/25
いっち
46
「音楽が鳴りやんだら」どうなるか。主人公は音楽の才能に恵まれる。地元の友達と組んだバンドで、デビューの声が掛かる。デビューの条件は、ベースのメンバーを替えること。レコード会社の社員は言う。「本気で音楽をやりたいのなら、代償を払うべきだ」主人公は親友を切り捨てる。主人公は無響室に入る。音のない暗闇の部屋。無響室から出たとき、三種の音楽(作品、人間、世界)を発見する。「作品」を重視する主人公に、私は同意できなかった。一方「音楽」=「心臓の音」としたとき、音楽が鳴りやんだら全ては無になるという考えには同意した。2023/02/12
ぽてち
39
初読みの作家さん。第159回芥川賞受賞作家だが、あの頃はまだ図書館を利用していなかったから読み逃している。最初は純文学系の作家だと知らずに読み始めたため、逆の意味であちこち眉をひそめた。ストーリーは単純で、アマチュアロックバンドがレコード会社にスカウトされデビューし頂点に上り詰めるまでを描いたサクセスストーリーだ。ただ、そこには音楽のために様々な犠牲を強いられる苦悩や葛藤がある。往年のビッグネームが多数登場するが、ほぼすべてが洋楽、しかもあまり聴かないジャンルだったので戸惑った。期待した内容ではなかった。2022/10/09
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