出版社内容情報
“恋がしづらい”この世の中で、きっちり100%、きみのことを好きでいたい――。20代から圧倒的支持を集める俊英、初の長編!
内容説明
想いを告げたら、あやめさんはこう言った。「私、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」ポリアモリーとは、複数の人とオープンな恋愛関係を持つこと。あやめさんのことは丸ごと受け入れたい。だけど…対等でありたいともがき、傷つけませんようにと願う。“恋がしづらい”私たちのための、100%の恋愛小説。
著者等紹介
大前粟生[オオマエアオ]
1992年、兵庫県生まれ。2016年、「彼女をバスタブにいれて燃やす」が「GRANTA JAPAN with早稲田文学」の公募プロジェクトにて最優秀作に選出され小説家デビュー。20年刊行の『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』によってジェンダー文学の新星として各メディアで取り上げられ、国内外から注目を集める。21年、『おもろい以外いらんねん』が第三八回織田作之助賞候補に。同年、『岩とからあげをまちがえる』が第一四回「日本タイトルだけ大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
67
ホテルで働く圭吾(24)は、恋愛をすることが怖い。自分の男性性が、相手を傷つけるのではと……。けれど、出会ってしまった。あやめさんに。彼女が所属する「お片付けサークル」に入る。圭吾の告白に彼女は「わたし、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」って――。【キャラ】<気にすることがうまくできない。つい、どうでもいいと思ってしまう。あんまり自分に興味を持てなくて、いつもぼんやりしている。そういった、ギラギラしてなさとでもいうような雰囲気のせいで、圭吾は勝手に馬鹿にされたり、逆に勝手に好感を持たれたりする>。⇒2023/06/03
sayuri
62
『すき』と『さびしい』が溢れてる。主人公は京都市内の観光ホテルで働く24歳の町枝圭吾。二条城の周囲をランニング中に出逢った窪塚あやめに恋をする。意を決し想いを告げた圭吾だが返って来た返事は「わたし、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」うーん、これは切ない。昨今、多様性が謳われLGBTの認知度も上がって来たとはいえ、複数の人とオープンな恋愛関係を持つポリアモリーには私自身抵抗がある。あやめと付き合い幸せを願いながらも、嫉妬や独占欲に悶える主人公の想いに共感する。シンプルな言葉で紡がれたピュアな恋愛小説。2022/03/29
❁かな❁
56
めっちゃ良かったぁ!恋愛することが怖い圭吾。そんな圭吾が好きになった人はポリアモリー(複数の人とオープンな恋愛関係を持つこと)。彼女のことを丸ごと受け入れたい。だけど…。純粋な恋する気持ちが描かれていてまぶしい。切ない想いも嬉しい気持ちも瑞々しい文章で描かれていてすごく心に響いてきた。何度も涙ぐんでしまい後半でぽろぽろ泣いてた。関西弁のやり取りも好き!恋の切なさや喜びがピュアに描かれ今どきの恋愛の価値観が掲示されるような感じ。読後感も良くとっても素敵な作品。初めて大前粟生さんの作品読んだけど好みで大好き♡2022/03/13
キンモクセイ
52
町枝圭吾はランニング中に出会った4つ歳上の窪塚あやめに恋をしていた。好きになると彼女の全てが輝き何もかもが愛おしくなる。片思いから勇気を出して告白したら「私さ、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」何それ?ポリアモリーとは複数の人を好きになって複数の人と恋愛関係になることらしい。純粋に心の底から好きで、好きの感情と性欲を混同したくないと思っている、その気持ちは神聖なものみたいな圭吾だから、さぞ悩み苦しんだろう。好きだけじゃ互いの壁を越えられるとは限らない。圭吾の感情って高校生の時に抱いた感情に似ていた。2022/04/16
mayu
50
好きの形は人それぞれ。ポリアモリーの相手にした恋。相手の自由さを好きになったから、まるごとすべて受け入れたいと思う。好きだから、自分だけを見つめてほしいと願う。どっちも本当の気持ちで苦しくなる。人間としての好き、友達としての好き、恋愛としての好き、どれも好意でその境目は曖昧だ。性欲と好きの気持ちも切り離せるものでもなく、潔癖であろうとすると迷い戸惑う。恋愛で感じる嫉妬や不安、この上ない幸福感。なんとも思わない人の気持ちはどうでもいい。特別な相手だから気になるし知りたい。きっと、きみだからこそさびしい。2024/12/07
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