出版社内容情報
中日監督時代の8年間、落合博満は勝ち続けながらもなぜ嫌われたのか。孤高にして異端の将の影響で人生を激変させた男たちの物語。
内容説明
なぜ語らないのか。なぜ俯いて歩くのか。なぜいつも独りなのか。そしてなぜ嫌われるのか―。中日ドラゴンズを日本一に導いた異端の将の8年間の闘いを描ききった、「週刊文春」で大反響の傑作ノンフィクション…運命を変えられた12人の男たちの目を通して綴られる、落合博満の実像と中日ドラゴンズ変貌の記録。
目次
第1章 川崎憲次郎―スポットライト
第2章 森野将彦―奪うか、奪われるか
第3章 福留孝介―二つの涙
第4章 宇野勝―ロマンか勝利か
第5章 岡本真也―味方なき決断
第6章 中田宗男―時代の逆風
第7章 吉見一起―エースの条件
第8章 和田一浩―逃げ場のない地獄
第9章 小林正人―「2」というカード
第10章 井手峻―グラウンド外の戦い
第11章 トニ・ブランコ―真の渇望
第12章 荒木雅博―内面に生まれたもの
著者等紹介
鈴木忠平[スズキタダヒラ]
1977年、千葉県生まれ。愛知県立熱田高校から名古屋外国語大学を卒業後、日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を16年間経験した。2016年に独立し、2019年までNumber編集部に所属。現在はフリーで活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
465
「本の雑誌が選ぶ2021年度ベストテン」第一位ということで読みました。落合博満に関しては、選手&監督時代共に注目していましたが、落合に関する書籍を読むのは初めてです。期待を違わぬ面白さ、第一位も納得、私の2021年BEST10にもランクインしました。孤高の天才は、嫌われるんでしょうね。巨人ファンの私としては、純血主義の巨人で監督は無理としても、一度ヘッドコーチをやって欲しいと考えています。落合以降10年間1度も優勝していない中日は、立浪監督で変わるでしょうか🐉 2021年は、本書で読み納めです。 2021/12/31
鉄之助
432
この本は、タイトルが先に決められていた! よく、落合・元監督が許したもんだ、と勘違いしていた。しかし、「あとがき」を読んで納得。実は『嫌われた監督』というキーワードを、『週刊文春』の編集長に与えられたからこそ完成した本だったのだ。この一言で、落合博満の何を書くべきかを、一瞬にして悟った、著者・鈴木忠平の凄さだった。12人の中日ドラゴンズ選手・関係者からの証言をもとに落合の”謎”が、紐解かれる。面白すぎて、時が経つのを忘れるほど。が、読み終わっても落合の”真実”は分からない。それでよいのだ!2022/04/17
tetsubun1000mg
253
日刊スポーツの記者が駆け出し時代に、落合監督の自宅を訪れたエピソードから始まるのだが、群れずに一人で訪ねた記者には「一人で来たなら話すぜ」と答えるのはいかにも落合さんらしい。 本を書いた鈴木忠平氏の心情を描き川崎健次郎、森野将彦などの主力選手を登場させて落合監督を浮かび上がらせていく。 ノンフィクションなのだが小説のようにも感じる叙情感豊かな文章だった。 不愛想で非情にも見える落合監督だったが、私は選手の悪口を絶対に口にしない、好き嫌いで選手を使わないのが好きだった。本の雑誌ノンジャンル年間第一位も納得。2021/12/26
ヒデキ
243
中日球団、黄金時代(と言わせて欲しい)を作った落合監督を主役に書かれたドキュメンタリー 皆さんが、書かれているように今年で一番面白かったルポだったと思います。一気に読んでしまいました。 プロの野球選手、野球監督ってなんなんだろうか考えてしまう話でした。 ひたすら、勝ちにこだわった監督と自分の成績に拘ってそこからチームの勝利を作っていった選手たち その勝利する姿が当たり前になった時、それ以上のモノを望んだファンたち プロ野球って誰のものなんでしょうね?2021/12/11
読特
224
在任8年。4度のリーグ優勝。シリーズを制したのは1回。完全試合目前の交代劇も描かれている。勝利至上主義。実績者のプライドを傷つけても次の成功確率を重視する。感情より理論。チームワークより選手個人のプロ意識。ビジネス書としても読まれていると知り何だか情けなく感じた。脚色も相当あるだろう。だが、積み上げた取材の元での創作は作家としての醍醐味でもある。当人は感想を言わない。天才といわれても失敗を重ね、悩みながらも生きていることはわかった。むしろ政治の参考とするがいい。投票先は”オレ流”と言われるくらいがよい。2023/11/07