出版社内容情報
日本とパリに住んで年に一度の逢瀬を愉しむ夫婦、若い頃に破局した男女アイドル歌手の再会など、人生の黄昏模様を端正な筆致で描く。
内容説明
日本とフランスに別れて暮らし、年一回だけの対面を続ける夫婦だったが…(『1/10ほどの真実』)。ゆきつけのバーで憎からず思っていた女性バーテンダーの転職を見守る男(『闘いは始まっている』)。義兄の葬儀で、昔一度だけ関係を持った女と出会い、思い出した夏の記憶(『蟹工船なんて知らない』)。還暦過ぎの女友達二人。片や平凡な結婚人生を送り、一方は離婚して独り身(『パシフィック・リゾート』)。墓地で偶然再会した男女は、かつて短い間交際したアイドル歌手同士だった(『くちづけを誘うメロディ』)。リタイア後の人間ドックで要再検査となり、急に不安を覚える夫と冷めた妻(『安全地帯』)。定年間近の独身男が、結婚相手に求めた子持ちの女性と酒杯を重ねるうちに(『六杯目のワイン』)。出張先で夫が客死して十年。娘も成長し、自らも求婚相手が現れ転機を迎える(『あなたの香りのするわたし』)。仕事で家庭を顧みない夫に対し、久しぶりに出かけた旅先で妻が下した決断(『海のホテル』)。人生の黄昏を迎える人々に光を当てた9つの物語。
著者等紹介
乙川優三郎[オトカワユウザブロウ]
1953年、東京生まれ。千葉県立国府台高校を卒業後、国内外のホテル勤務を経て、96年に「藪燕」で第76回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。同年に『霧の橋』で第7回時代小説大賞、2001年に『五年の梅』で第14回山本周五郎賞、02年に『生きる』で第127回直木賞、04年に『武家用心集』で第10回中山義秀文学賞を受賞。その後、現代に舞台を移した小説を執筆し、13年に『脊梁山脈』で第40回大佛次郎賞、16年に『太陽は気を失う』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞、17年に『ロゴスの市』で第23回島清恋愛文学賞を受賞。そのほか著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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