内容説明
遠藤慶太は29歳。大航ツーリストの企画課から成田空港支所に「飛ばされて」きた。遠藤は「ぜったいあぽやんにはならないぞ、本社に返り咲くぞ」と心に誓うが―。再入国許可のない日系ブラジル人少女をめぐる駆け引き、絶対に出発しようとしない老婦人の秘密、予約が消えて旅立てない新婚夫婦をどうするか?空港で起こる旅券やチケットのトラブルを解決し、旅客を笑顔で送り出す「あぽやん」たちのカウンター越しの活躍を描く。
著者等紹介
新野剛志[シンノタケシ]
1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。旅行会社勤務を経て、1999年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
120
旅行会社の社員・遠藤が主人公の、空港が舞台のお話。専門用語が少し難しかったけど、空港で働く人たち同士や利用する人たちとのやりとりに緊迫感や温かさなど様々な感情が見えたところと、前半のエピソードでは「それはだめでしょ」と言いたくなる部分が多かった遠藤に少しずつ成長と変化が見えて良かった。2015/05/26
遥かなる想い
118
空港のトラブルシューターたちの物語である。 あまり馴染みのない空港で働く人々の日常が 新鮮で面白い。ごくありふれた出来事だが、 懸命に働く 遠藤慶太くんを応援したくなる。 仕事に 恋に 人間関係に悩みながら 成長する遠藤君の青春群像だった。2022/08/10
ちはや@灯れ松明の火
83
あぽやんとは何ぞや?間違っても半濁音を取っちゃいけません。彼等の生息地帯は空港内の旅行会社カウンター周辺、飛行機に乗って旅立つツアー客の皆様に真心を込めたお見送りやお出迎えを致します。…たったそれだけ?いやいや。旅に予想外のトラブルはつきもの、パスポートの不備や座席確保のエラー処理、常連客の話し相手、ご立腹気味なヤバいお仕事の方に平謝り、必要とあらばスーツ姿で全力疾走。全てはひとえにお客様の笑顔溢れる旅路のために。そう、あぽやんは空港内限定のスーパーヒーローと言っても…ちょっくら過言ですね、ハイ。2010/09/14
yanae
78
数年来の積読本!ようやく読了。こういうの嬉しい(笑)ドラマ化もしているのかな?空港が舞台のお話。アポ=APO。エアポートの略語だそう。へぇー!にしても、空港の地上勤務はやはり大変そう。問題もたくさん。でもお客様を笑顔で送り出す仕事はとても素敵。遠藤もだんだん仕事が好きになるのが伝わってきてよかった。仲間も。あぽやんの過去もかっこよかったし。恋の行方も気になる!専門的な仕事の裏側が読めてよかったです。シリーズまだあるので読んでみます♡2019/10/14
タックン
57
図書館で借りた本。ドラマ化に伴い文庫が本屋でフェアになってたので気になって読んだ。いわゆる流行のお仕事小説。(あぽやん)ってAPOの略で旅行会社の空港勤務のことかあ・・・。空港関係っていえば花形の仕事に感じるけど旅行会社だと閑職なんだね!!連作短編で読みやすいけど空港や旅行関係の専門用語が多くてわかりにくかったなあ。2013/01/26
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- 終焉の日 創元推理文庫