出版社内容情報
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内容説明
かつてカルト集団として批判された団体の敷地から子どもの白骨が発見された。弁護士の法子は、遺体は自分の知る少女ではないかと胸騒ぎを覚える。三十年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と隠された罪があふれだす。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
822
辻村 深月は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。2年ぶりの長編、期待して読みました。カルト集団に育てられた子供たちの未来、著者が書くとこういう物語になるのは解ります。但し、もう少しサプライズが欲しかった気がします。対局で思いっ切りエンターテイメントに走ると「高校事変」になるんでしょうね。 https://books.bunshun.jp/articles/-/6323?ud_book2021/07/06
パトラッシュ
806
琥珀に閉じ込められた昆虫は美しいが死骸だ。記憶という名の琥珀に死骸が混入していたと知った女性弁護士法子は、10歳の日々を確かめる旅に出る。理想の教育をめざした共同生活での甘く切なくほろ苦い思い出も、そこに絡まる大人の身勝手な思惑が明らかになるにつれて泥臭く汚い現実が露呈してくる。傷つくのがわかっていても親になった法子は真実を知ろうとするが、そこで見つけたのは子供の残酷さが起こした事件だった。いつもの辻村作品ならもっと詳細に書き込まれるラストが、新聞連載のためか法子が報告する形でまとめられていたのが惜しい。2021/08/06
うっちー
688
親もいろいろいるので、唯一で正解はないかもしれません2021/06/30
まちゃ
555
子供は社会が育てるという理念の基で、子供たちを親と離して集団生活させる〈ミライの学校〉。かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地跡から発見された子どもの白骨死体。30年前、そこで夏を過ごした二人の女性、田中ミカと近藤ノリコ、の幼い日の罪と友情の物語。親の信念や信仰で集団生活を送る子供たちの気持ちがリアルに描かれていたと思います。さすが辻村さんですね。面白かったです。2021/08/21
とろとろ
538
かつてカルト集団として批判された団体の敷地から子どもの白骨が発見される。その裁判の弁護を引き受けたのが、かつて小学生の頃この団体の夏合宿に参加していた女性弁護士だった。(琥珀に包まれていた)その記憶を断片的に思い起こしながら弁護する、っていうのが本筋かしら。これって、オウム事件があった前後に、ついでみたいに叩かれたヤ○○○ファーム事件のことなのかしらと思った。現代では集団生活をする組織は外から見れば奇異に見えるが、中に入れば意外と普通だったりする。でも、大人ではなく子供たちが悩むのは、やはり何か変。2021/08/09