内容説明
文政十一年暮れ。男と駆け落ちした鼻緒屋の娘・佳乃が三年ぶりに照降町の実家に戻ってきた。父は病に伏し、見習いとして浪人の八頭司周五郎を受け入れていた。町の人びとの人情に触れ、佳乃は女職人として鼻緒挿げの腕を磨く決意をするが、そこへ元亭主が追ってくる―。著者初、江戸の女性職人を主人公とする書き下ろしシリーズ(全四巻)
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
156
佐伯さんの新しいシリーズ4部作の第1弾。駆け落ちしたはずの鼻緒屋の娘・佳乃が3年ぶりに出戻ってくるところから始まった本作は、女職人として家業を継ぎ成長する市井ものなのだろう。掴みはOK!な感じ。既読の佐伯作品の香りも感じつつ、弟子?の周五郎との絡みもこの先が楽しみな感じ。鼻緒を花緒とするだけで華やかになり、鼻緒の組み合わせ方一つにも、佳乃の天性のものが生かされて興味深い。続けて読んでみたい。 2021/04/26
ともくん
44
今まで読んできた佐伯作品とは、趣が異なるようなシリーズ。 花緒屋の女主、佳乃と奉公人の周五郎のコンビが絶妙なバランス。 これから、どんな展開になるのか楽しみ。2022/08/22
アボガドみよ
14
佐伯泰英氏の新しいシリーズ。鼻緒屋の娘・佳乃が主人公。下駄・草履は、分業だったのですね。京都の西陣も分業だったな~などと思いながら、鼻緒屋が舞台とは興味深々です。全4巻を毎月発行して行くそうです。とても面白かったので、楽しみが増えてうれしいです。2021/05/29
fuku3
14
2021.4.29読了。照降町シリーズ第一弾。佐伯氏の新シリーズと云う事で期待を込めて読み始めた!主人公が女職人に変わっただけで中身はいつものやつだ!良く云えば安定の面白さ、悪く云えば少々マンネリ気味かな⁉︎文政11年鼻緒屋の佳乃は駆け落ちしたが三郎次に愛想を尽かして三年振りに戻って来た!訳有りの浪人、八頭司周五郎が職人見習いとして父親の弥兵衛を手伝っていた…。ゆっくり話が進むので少し間延びした様に感じられる。重大な事件もそんなに起きずこれからかな⁉︎単行本と文庫同時発売で全四巻で完結との事‼︎2021/04/29
チューリップ
7
時代ものはどうしても苦手意識が抜けないのだけど、これは女性主人公なのもあって読みやすくて面白かった。照降町の人たちがみんな温かくて色々あったけど佳乃はここに戻ってこれて良かったなと思えた。周五郎さんはずっと鼻緒屋をやるわけではなさそうなのが残念だな。ずっといてくれてもいいのになと思うんだけどこれまでを考えると確かにこの仕事をずっとするような人でもないんだよなと感じた。2022/10/17
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