パチンコ〈上〉

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  • サイズ 46判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163912257
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

日本の統治下となった朝鮮から大阪へ、横浜へ。在日コリアン一家四世代の変転を描き、全米図書賞最終候補となった大作、邦訳成る!

内容説明

日本に併合された朝鮮半島、釜山沖の影島。下宿屋を営む夫婦の娘として生まれたキム・ソンジャが出会ったのは、日本との貿易を生業とするハンスという男だった。見知らぬ都会の匂いのするハンスと恋に落ち、やがて身ごもったソンジャは、ハンスには日本に妻子がいることを知らされる。許されぬ妊娠を恥じ、苦悩するソンジャに手を差し伸べたのは若き牧師イサク。彼はソンジャの子を自分の子として育てると誓い、ソンジャとともに兄が住む大阪の鶴橋に渡ることになった…一九一〇年の朝鮮半島で幕を開け、大阪へ、そして横浜へ―。小説というものの圧倒的な力をあらためて悟らせてくれる壮大な物語。構想から三十年、世界中の読者を感動させ、アメリカ最大の文学賞・全米図書賞最終候補作となった韓国系アメリカ人作家の渾身の大作。

著者等紹介

リー,ミン・ジン[リー,ミンジン] [Lee,Min Jin]
韓国、ソウル生まれ。1976年に家族とともにニューヨークに移住。イエール大学、ジョージタウン大学ロースクールを経て、弁護士となる。2007年のデビュー作Free Food for Millionairesはイギリスのタイムズ紙で同年のベスト10に選ばれた他、各紙誌で高い評価を受ける。2007年から2011年にかけて東京に在住。第2作『パチンコ』は、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、エスクァイアなどの絶賛を受け、全米図書賞の最終候補作となる

池田真紀子[イケダマキコ]
1966(昭和41)年、東京都生まれ。上智大学法学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

329
「在日」コリアン4世代にわたる壮大な物語に、圧倒され、夢中で読んだ。「歴史が私たちを見捨てようと、関係ない。」冒頭、高らかな宣言文のような書き出しから、期待を裏切らない力作だった。「朝鮮人は不潔だと日本人は思っているが、不潔な環境で生活するよりほかにない」在日の暮らしがリアルに迫って来る。しかし、底にあるものは、日韓併合に始まる軍国主義に対する単なる”日本糾弾”ではなかった。そこで必死に生きている人間ドラマが面白い。下巻も楽しみ。2020/10/07

starbro

300
全米図書賞最終候補作にて世界各国のベストセラーということで読みました。朝鮮・日本を舞台にした家族大河小説、上巻は一気読みです。まだ何でタイトルが『パチンコ』なのか解りません。韓国人作家は男性器を「ウナギ」と表現するのがポピュラーなのでしょうか(笑)続いて下巻へ。トータルの感想は上・下巻完読後に。 https://ddnavi.com/review/651446/a/2020/10/03

モルク

152
日本に併合されていた時の朝鮮釜山沖の影島で下宿屋を営む家の娘ソンジャは、ハンスに恋をし妊娠するも彼には大阪に妻子がいることを知り彼と別れる。生まれてくる子供の将来を案じていた時に下宿に逗留していた牧師イサクが結婚をし自分の子として育てることを申し出る。二人はイサクの兄の住む大阪へ。大阪での生活、戦争の激化、在日朝鮮人への偏見、差別、迫害…夫の死、二人の子を抱えての生活、ハンスとの再会…新たな展開がありそうな下巻が楽しみ。困難に負けず生きる人々を応援したい。なぜ今まで読まなかったのかな、こんなに面白いのに。2022/09/24

とん大西

139
日本統治下の朝鮮半島、つましく真面目に暮らす男フニ。家族の壮大な物語は彼から始まる。妻に迎えたヤンジンとの間に生まれたソンジャ。下宿屋を生業とし、決して裕福ではないが家族の愛情を受けて成長する一人娘のソンジャ。ままならない青春の葛藤を経て、心優しき牧師イサクとの結婚を機に大阪へ。時は大戦前の日本。異邦人である彼ら-日本での暮らしやすさと暮らしにくさ。理不尽なこと、それでも幸せの証があったこと。母として妻として女としてひたすら生きようとするソンジャたちの家族太平記。圧巻の読み応えです(^^)。下巻へ。2020/10/03

sayan

136
抉られる様な表現に圧倒されっぱなしだった。NYTimesで話題とは耳に届くも数か月積読状態に。読後、後悔したのは言うまでもない。数世代にわたる在日コリアンの家族物語は、本書の表現をかりれば「パチンコ玉のように弾き飛ばされ」翻弄の連続、自らの意思が抑え込まれる展開。登場人物が背負う物語は、いずれも実話から再構築される。そのため各人の心理描写は、淡々しているが迫ってくる迫力が印象的だった。1910年から始まる上巻は1989年(下巻)に向かう。コロナ禍の喧騒を忘れる程の熱量を持った本書は個人的には今年1番かも。2020/12/20

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