出版社内容情報
荒れ狂う性欲、三度の自殺未遂を経てインドへ。滅亡寸前の仏教を再興し、不可触民の地位向上のため身を賭して闘うお坊さんの正体とは
内容説明
武士道をこよなく愛し、インドで仏教徒1億5千万人を率いる伝説のカリスマ坊主・佐々井さんの正体とは!?足かけ5年にわたる笑いあり、涙ありの密着同行記!
目次
ナグプールのインドラ寺
よろず相談所
悪魔祓いに孫の手を
人生の暗夜行路
三度の自殺未遂
色情因縁の嵐
「我は龍樹なり」
でんでこを持った乞食坊主
ガンジーが嫌われたのはなぜ?
ノラクロの大躍進
闘争のはじまり
だまされても、だまされても
デリーのアジトで
陰謀渦巻くアーグラ
ふたたびナグプールへ
「私は小さなお坊さんである」
著者等紹介
白石あづさ[シライシアズサ]
日本大学藝術学部美術学科卒業。フリーライター&フォトグラファー。地域紙の記者を経て、約3年の世界放浪へと旅立ち、帰国後は旅行雑誌、週刊誌などに執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さばずし2487398
35
凄い日本人が居たものだ。ダライラマが会いに行き印度首相もその名を出す。アウトカーストの人々を中心にこの国では改宗者が激増。今やインド仏教1億5千万人の最高責任者。佐々井さんがいるナグプールは治安も良くなり貧しい子も学校へ、皆が挨拶を交わし日本人が来ると喜ばれる。正に現代のキリストみたいな人だが、性格は破天荒で堪らなく優しく、暗殺の危険に晒されつつ莫大な人数を引き寄せる次郎長の様な人。なぜ日本でこの人が知られていないのか。こんな人が日本の総理だったら。文章もどんどん惹きつけられてとても面白い。元気になる。2023/07/07
Akihiro Nishio
30
アンベードカルが集団で仏教に改宗した地ナグプール。しかし、指導者を失った仏教徒は停滞したまま10数年を過ごす。そこに本書の主人公が現れる。お告げに導かれとか言って。全く破天荒な人である。性欲が強すぎて逆に坊さんを目指すが、性欲の為何度も挫折。留学中のタイでも三角関係のもつれからインドへ逃亡。しかし、彼の表裏のない、他人の役に立ちたいという気持ちが徐々にインド社会に受け入れられ、ついにインド仏教最高位に上り詰める。と言っても大変な苦労と危険を伴うことになるのだが。跡継ぎがいないというのがホント心配。2020/06/25
ひなぎく ゆうこ
24
佐々井さんの後進育成とブッダガヤの奪還を切に願っています。読んで良かった…。佐々井さんと白石さんの出会いに感謝。2020/07/14
しゅわっち
21
この本に出会えて感謝致します。日本では、駆け込み寺という言葉が、死語になっている。それをインドで実践している日本人がいることに驚いた。最近のブッダの瞑想は、小乗仏教系に思われる。日本が、大乗仏教で、インドに活躍した人がおかげで、日本に伝来したと感じた。金至上主義に洗脳された日本人に大切な物を教えてくれる本に感じました。無私の行動の僧の話で、私を含め沢山の人が、少しでもそういう気持ちを持つのに役立つ本に思いました。2020/06/26
DEE
11
インド仏教の頂点に立った日本人僧侶佐々井秀嶺。トップとはいえ生活は質素そのもの、たまに収入があれば全て配ってしまう。先祖から脈々と流れる己の血と業の深さに死を決意するほど悩み、仏教に救いを見出した20代。導かれるようにインドへ渡る。と書くと大そうな話だが、凄まじい人生だけど読んでいてとても楽しい本である。神聖と俗をあわせ持った人間としての魅力、時には命をかけて人々を救おうとする強さは感動的。死んでもカーストを抜け出せないヒンドゥー教よりそんなものが存在しない仏教に鞍替えするのは当然の結果なのかも。2019/12/05