内容説明
駆け出し芸人・綾小路きみまろは、雇われ支配人の多田や用心棒ヤクザの高橋に励まされてステージに立つ毎日。酔っ払い相手の漫談から、いつか売れる日を夢見るが…。70年代に花開いたキャバレーを舞台に綴る、笑いと哀愁とノスタルジー溢れる長編小説。
著者等紹介
ビートたけし[ビートタケシ]
本名・北野武。1947年、東京都足立区生まれ。72年、ツービート結成。漫才ブームとともに絶大な人気を誇る。89年『その男、凶暴につき』で映画監督デビュー。97年『HANA‐BI』でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。2010年、フランスの芸術文化勲章「コマンドール」を受章。18年、旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
190
ビートたけしは、新作中心に読んでいるタレント作家です。著者が、若き日の綾小路きみまろの成長物語を描くとは思いませんでした。古き良き70年代のグランド・キャバレーのショーを一度観てみたかった。2019/08/08
旅するランナー
120
クラブ読書メーター、ゴールデンショウ。ええー、只今ご紹介にあずかりました、武者小路実篤です。キャバレーってのは酒、女、金、詐欺、お笑い、暴力、社会の縮図ですね。キャバレー知らない世代にはチンプンカンプンな小説ですね。それを言っちゃあおしまいよ。情報7daysのたけしさん。この小説並みの時代遅れの発言を連発。笑っているのは、齋藤教授と湯山さんだけ。それも、愛想笑いですね。よしなさい!2019/08/30
fwhd8325
68
芸能界という世界は、ここで描かれているように下積みの時代があって、そこからのし上がろうと努力し、チャンスをつかんだ者が第一線で活躍しているのだと思います。一部の大きなプロダクションに所属することで、有利になるような今の時代では、本物は出てこないんじゃないかと思います。特に芸人の世界では、実力を併せ持っていなければ、その人気は一過性のものでしか無いと思います。きみまろさんを描くことで、今の芸能界へのアンチテーゼとしての役割も持っているのだと思います。2019/07/27
Shoji
57
綾小路きみまろさんの下積み時代をモチーフにした小説。昭和って、こんなだったよなとノスタルジックに浸りながら読んだ。芸能興行やキャバレー経営が、ヤクザと切っても切れない関係であることに何の違和感もない時代だった。そして、平成を経て令和になった今、キャバレーなんて昭和遺産になってしまった。ヤクザは表向きでは活動する場所がなくなっている。常に時代は変わるのである。売れっ子芸人になった綾小路きみまろさんが、下積み苦労を回顧するシーンが印象的だった。2019/06/08
テクパパザンビア
43
面白かった。綾小路きみまろは苦手やけどケーシー高峰の「ホメイニ、したこと、したばってん」「カダフィ、馬鹿よね、お馬鹿さんよね」がサイコー。東京コミックショーも懐かしい。タケちゃんも回顧録で笑わすなんて残念。『純、文学』に期待を込めて…。2019/11/20