出版社内容情報
一昨年、自宅で脳梗塞を起こした当時八十四歳の私。入院・転院・リハビリ・帰宅・骨折・再入院の日々。私は本当に治癒していくのか?
内容説明
自宅で脳梗塞を起こした84歳の私。入院・転移・リハビリ・帰宅・骨折・再入院…。私は本当に治癒してゆくのだろうか?脳梗塞からの生還。あたらしい闘病文学。
目次
第1部 最初のリハビリ(天井しか見えない夜;“閣下”と呼ばれる男;有料の新聞ですが ほか)
第2部 壊れる私(かわき;小林という平凡な姓;下町の家 ほか)
第3部 リハビリ島奇譚(とりあえず、感じが良い;病院のクリスマス;一日のスケジュール ほか)
著者等紹介
小林信彦[コバヤシノブヒコ]
昭和7(1932)年、東京生れ。早稲田大学文学部英文学科卒業。翻訳推理小説雑誌編集長を経て作家になる。昭和48(1973)年、「日本の喜劇人」で芸術選奨文部大臣新人賞受賞。「丘の一族」「家の旗」などで芥川賞候補。平成18(2006)年、『うらなり』で第五十四回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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kokada_jnet
32
病院の人びととの人間関係の軋轢話や、尿瓶への排尿の話、リハビリ病院の料金が、この作家らしい内容。「戦時中、母親が、自分たち兄弟を軍属にとどめようとした」というのは、はじめての記述ではないか。2019/05/03
信兵衛
29
一口に闘病記といってもそこは小林さんですから、しがみつくように映画やコメディアンの話は出てきますし、そのうえ自分自身を対象物にした分析&観察的闘病記という印象です。2019/04/14
ぜんこう
28
小林信彦氏が自宅で脳梗塞→入院→リハビリ→退院して自宅で転倒・骨折→入院→退院して再び転倒・骨折、という脳梗塞から始まる闘病記(?) 自分もそろそろ気を付けないとと思うけど、なかなかねぇ・・・ でもこんな経験でも本にしてしまう作家という職業はスゴいと思う(^_^;)2019/04/24
くさてる
27
なんだかすごいものを読んでしまった気がする。脳梗塞とその後の骨折、病院とリハビリの日々を書いたものなのだけど、それがなんともとりとめのない不安というかあいまいな空気感の中でつづられて、どこまでが事実で幻想なのか分からない感じがしてしまう。この苦しい不吉な雰囲気こそが、85歳の感じ方なのだ、と言われればそれまでかもしれないけれど。そしてそれでも小林信彦は小林信彦なので、気難しいあの物言いや映画やコメディアン、グラビア女優への言及も存在するのだ。どうぞお体を大事に、と思いました。2019/05/22
しんこい
15
骨折の噂はどこかで見たが、その前に脳梗塞とは知らなかった。ともあれ命とりとめ、体の不自由は残っても、入院やリハビリの経過を80超えた作家が執念で書く。連載も一つでないとは驚き。二回目の骨折が一瞬ぼけた間違いかと思ってしまった。2019/05/30