ゴー・ホーム・クイックリー

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163909325
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

最高司令官総司令部(GHQ)が、憲法改正案を押し付けてきた。この時、日本の未来のために抗った官僚と政治家たちの戦いを描く。ノンフィクション作家 保阪正康氏が絶賛!

昭和史の“静かな怪物”が、もう一人いた。

「この小説は、まさに“戦後史の岐路”を描いた一冊。現憲法は誰によって、どう作られたのか。占領する側、される側の闘いを再現させたドラマだ」



終戦直後の昭和二十一年の初め、連合国最高司令官総司令部(GHQ)の方針に従い、国会内の委員会で政府試案をまとめたが、GHQは拒否。そればかりか、GHQ憲法草案を押し付けてきた。この案を翻訳し、日本の法律らしく形を整え、新憲法の下敷きにせよ、というのだ。

わずか二週間で翻訳にあたることになったのは、内閣法制局の佐藤達夫。吉田茂外相(当時)と話す機会を得た佐藤は、GHQ案の問題点をまくしたてる。それを聞いた吉田は、佐藤に言った。

「GHQは何の略だか知っているかね? ゴー・ホーム・クイックリーだ。『さっさと帰れ』だよ。総司令部が満足する憲法を早々に作っちまおうじゃないか。国の体制を整えるのは、独立を回復してからだ」



かつて司馬遼太郎は、『坂の上の雲』で、明治という時代の明暗と、近代国家誕生にかけた人々の姿を小説にした。

そして今、昭和史の分岐点を描いた小説が誕生した。

中路 啓太[ナカジ ケイタ]
著・文・その他

内容説明

終戦直後の昭和二十一年初め、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の方針に従い、国会内の委員会で政府試案をまとめたが、GHQは拒否。そればかりか、GHQ憲法草案を押し付けてきた。この案を翻訳し、日本の法律らしく形を整え、新憲法の下敷きにせよ、というのだ。わずか二週間で翻訳にあたることになったのは、内閣法制局の佐藤達夫。吉田茂外相と話す機会を得た佐藤は、GHQ案の問題点をまくしたてる。それを聞いた吉田は、佐藤に言った。「GHQとは何の略だか知ってるかね?ゴー・ホーム・クイックリーだ。『さっさと帰れ』だよ。総司令部が満足する憲法を早急に作っちまおうじゃないか。国の体制を整えるのは、独立を回復してからだ」。今こそ見つめ直すべき憲法制定の物語。

著者等紹介

中路啓太[ナカジケイタ]
1968年、東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得の上、退学。2006年、『火ノ児の剣』で第一回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

33
昨年5月のNHKスペシャル「憲法と日本人」は新憲法の作成時に日本側がいかに関与しようとしたか、また、戦後の改憲機運が高まったのに何故改憲に至らなかったのか、などを詳細に検討した力作でした。本著はその番組を彷彿させますね。さまざまな研究書や回顧録などを基に、GHQ案を修文する過程を克明に再現しています。謎が残る部分はフィクション的な味付けにしているものの、大筋は史実に忠実で、わかりやすい物語に仕立てている。ただ両者ないまぜの中途半端感があるのも事実。2019/03/24

ほうすう

16
戦後間もないGHQの統治下にある日本が舞台。法制官僚である佐藤達夫を主役に据え日本国憲法の制定に至るまでを描く小説。と、いってもこれは小説なのか。半分小説、半分ドキュメンタリーといった構成。今の憲法を考えるきっかけとしてはバランスも良く入門書としてちょうど良いかと思う。作中では、金森徳次郎の飄々とした感じが魅力的に描かれておりいいキャラであった。2020/03/24

Nazolove

16
憲法のなんたるかー、というのを学べた本。 GHQをそんな訳するなんて面白いなーと思った。 (実際はそこまではやく決まらなかったようだけど) ただ天皇万歳なんていう憲法のせいで戦争があったのでここまで憲法を話し合って変えていったのはなかなかに壮大でおおきなドラマだなーと思った。 ただ後半ただただ教科書の文羅列ではっきりいってちょっと合わなかったなーなんて思った。(ディスって申し訳ない) しかし憲法を直すのにいちいち一句一句直していくとは憲法を直すのも楽じゃねーなーなんて思った。2019/02/18

9
難しかったです。小説というよりは歴史書2018/12/22

サケ太

9
恐ろしいまでに面白い。主人公佐藤達夫の終戦から始まる奮闘の日々。「ゴーホームクイックリー」を胸に新たな憲法を創り上げる。様々な政治家、官僚が苦しみ、嘆き、怒りながらも完成へと至ったその記録。こんなに苦難の道のりだったのか。今の日本が形作られる事になった憲法。多くの思惑に振り回され、己の無力を感じる日々。それでも、独立の為には前に進まなければならない。自分の仕事を果たした男。託された思いは現代に受け継がれている。『花が憲法なら土は国民だ。どんな形をした、どんな色の花を咲かせるのかは、土が決めるのではないか』2018/11/30

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