出版社内容情報
年貢徴収のため新田開発を決断した川越藩主・柳沢吉保。生きるため開拓に励む農民たち。両者の階級を超えた友情と葛藤を描く――。徳川綱吉の治世下、川越藩の領内では、牛馬のための飼料や堆肥のための草を採取する秣場(まぐさば)での、農民同士の諍いが何十年も絶えなかった。集団で襲われ、百姓が命を落とす悲劇までおきていた。
そんな中、新たに藩主についた柳沢保明(のちの吉保)は、諍いの場となっている荒涼たる原野を二年で畑地にせよ、という前代未聞の命を下した。そして、曾根権太夫ら側近の家老らを現地に派遣し農民を指揮させたが、やがて武士と農民の間には軋轢が生じ、二年での完成が危ぶまれていく。そんな中、保明は懐刀の荻生徂徠を現場に送り込み、事態の打開を試みるが……。
江戸前期、武士と農民が身分をこえて空前の大開拓に挑む力作歴史長編!
梶 よう子[カジ ヨウコ]
著・文・その他
内容説明
徳川綱吉の治世下、川越藩の領内では、牛馬のための飼料や堆肥のための草を採取する秣場で、農民同士の諍いが絶えなかった。百姓の倅・正蔵も十のとき、男五人に襲われ、父・吉二郎を亡くした。新たに川越藩主となった柳沢保明(のちの吉保)は、側近の筆頭家老・曾根権太夫、懐刀の荻生惣右衛門(徂徠)を送りこみ、その地を畑地として開拓するよう命じる。果たしてその狙いは、領民の生活を豊かにするためなのか、それとも年貢を徴収し将軍・綱吉の歓心を買うためなのか―。埼玉新聞連載の話題作!
著者等紹介
梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ。2005(平成17)年「い草の花」で九州さが大衆文学賞受賞。08年「一朝の夢」で松本清張賞受賞。16年『ヨイ豊』で直木賞候補、歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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