世界を変えた14の密約

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  • サイズ B6判/ページ数 485p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163908502
  • NDC分類 304
  • Cコード C0098

出版社内容情報

仮想通貨、フェイクニュース、ブラック労働、肥満とダイエット……いまの世界をつくった決断は、すべてビジネスマンが下していた!私たちの日常生活を根底から変えたのが、政治家や国際事件ではなく役員室やゴルフコースやバーによって秘密裏に交わされた企業による密約(ディール)だったら?



イギリスを代表するジャーナリストが世界のタブーを徹底追及。英BBCが番組化、大反響!



【現金の消滅】

1998年、スタンフォード大学。のちのペイパル創業者達が出会い、始まった。



【熾烈な格差】

2009年、中間層消滅を予言した銀行家。富裕層OR貧困層ビジネスへと舵が切られた。



【ダイエット基準】

ダイエット関連業界の儲けのために、BMIを27から25に引き下げ、肥満人口を増やす。



【買い替え強制の罠】

1932年、電球の寿命が6カ月に決められる。アップル製品のバッテリー問題も。



【フェイクニュースの氾濫】

1981年、マードックとサッチャーが取引。有名メディアが買い取られる。



ほかにも、【投機リスク】【租税回避のカラクリ】【薬漬け】【改革されない働き方】【新自由主義の誕生】【企業の政府支配】【AIに酷使される未来】【知性の取引】【21世紀のインフラ】にまつわる密約が明らかに。

ジャック・ペレッティ[ジャック ペレッティ]
著・文・その他

関 美和[セキ ミワ]
翻訳

内容説明

もし、私たちの世界の見方が間違っていたら?私たちの日常生活を根底から変えたのが政治家や国際的な事件ではなく役員室やゴルフコースやバーで秘密裏に交わされた企業による密約(取引)だったら?気鋭のジャーナリストによる恐ろしくもスリリングな一冊!

目次

現金の消滅―それは1998年、スタンフォード大学の講堂で、のちのペイパル創業者となるふたりが出会ったことから始まった。彼らが目指した戦慄すべき世界とは?
小麦の空売りとアラブの春―アラブの春は、小麦価格の高騰が引き起こした。チュニジア青年を焼身自殺に追い込んだのは、生活苦だった。投機家たちが世界を混乱に陥れる。
租税回避のカラクリ―租税回避はどのように合法化されたのか。発端は1969年、重税に首を絞められたビートルズのジョン・レノンに、ふたりの男が魅力的な提案を持ちかける。
貧富の格差で大儲けする―2006年、ハドソン川を見下ろす49階会議室でシティグループの凄腕バンカーが貧富の二極化を予言。顧客たちは驚き喜ぶ。カネ儲けのチャンス到来だ、と。
肥満とダイエットは自己責任か―1945年NY、生命保険会社の統計家が昼休みに閃いた。肥満の基準を変えれば、一夜にして保険料を高くできる。結果、アメリカ人の半分が“太り過ぎ”となった。
国民全員を薬漬けにする―国民全員を“患者”にして儲けたい製薬業界。1980年、ファイザーの雇われ弁護士事務所がある法案を提出。政府が国民を製薬業界に売り渡した瞬間だった。
働き方が改革されない理由―われわれが働き過ぎになったのはいつからか?1878年、工場の労働管理職が上司へある提言をする。のちにドラッカーも賞賛したこの概念、それが“効率”だ。
終わりなき“買い替え(=アップグレード)”―1935年、世界の電球メーカー5社がカルテルを結ぶ。電球の寿命を6か月に縮めるべし、と。今や“アップグレード”の対象は車やiPhoneのみならず人間にも及ぶ。
権力を持つのは誰か―1971年、米の弁護士が革張り机で書いた未来メモ。これからは企業が政治を主導する。この思想は、サッチャー、レーガン時代に新自由主義として現実化した。
企業が政府を支配する―1958年、ISDS(=国家と投資家の間の紛争解決手続)が設立。政府を秘密裡に訴えることが可能に。グローバル企業による国境を越えた支配の始まりだ。〔ほか〕

著者等紹介

ペレッティ,ジャック[ペレッティ,ジャック] [Peretti,Jacques]
1967年、ワトフォード生まれ。ジャーナリスト。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒業。英国BBCにてドキュメンタリー番組を手掛ける。著作『世界を変えた14の密約』は「Billion Dollar Deals and How They Changed Your World」としてBBCにてシリーズ放映され、大反響を呼んだ

関美和[セキミワ]
慶應義塾大学文学部卒。電通、スミス・バーニー勤務を経て、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経て、クレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める。杏林大学外国語学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

100

45
密約と題された資本主義発展の歴史。 資本主義は社会主義さえも一要素とし、同時多発的なイノベーションが相互に影響を与えあい際限無く膨張を続ける。貧富の差が相対から生まれるものなら、増大するものの反面縮小するものがあり、その格差と二極化が問題視され始めた現時点での勝者の「成功の本質」。いずれSFがサイエンスノンフィクションとなったとき、勝者も敗者もなくなる。2021/12/29

yutaro13

16
歴史上の国家間の密約を扱った本と思いきや、内容は企業間の密約・取引。少数のエリートの取引が我々に与える影響は甚大だ。半世紀以上も前、保険会社は保険を売るため肥満の基準を変えて大勢を「太り過ぎ」にし(このときBMIができた)、食品会社はダイエットとリバウンドを繰り返させることで金儲けするシステムを作り上げた。製薬会社はあらゆる症状に病名をつけ、必要もない薬を売りつけてきた。そして今、GAFAに代表される企業の行動で中間層が下方に収斂された砂時計型の未来を迎えつつある。翻訳本にありがちな冗長さは致し方なしか。2019/01/27

みつけるちゃん

15
題名に惹かれる人の興味は満たさず、内容を求める人は手にしないのでは。俗っぽい陰謀論ではなく、この世界がいかにできたかを経済の面から説く。個人的には思わぬ当たりを引いた気分。貧困層のストレスが増すほど酒や賭博、格安店が一大産業化する。ダイエットは必ず失敗する。自己責任の名の下、長期にわたり依存してもらう文化を作るのが商売かと思うと一消費者としてはやはりぞっとする。発達障害の薬がごく軽度でも子供の世話を楽にするため使われるのは確かに脅威だが、病名がついて救われる人もいる。前提知識がないと危険な匂いもする一冊。2019/05/08

嘉月堂

13
情報が膨大。題名から、今まで知らなかったことが知れるかと期待した。うすうす感じていたことが書かれていた印象。働き方の話しは、データを捏造していたとの部分が印象的。結局、誰かに踊らされてるのね。2022/05/09

G-dark

13
生命保険会社の統計家が、肥満の基準を厳しくすれば一夜にして保険料を高くできる!と閃いたことで、多くの人が「太り過ぎ」「肥満」と見なされて高い保険料を払うようになり、ダイエット業界は「太った」と焦る人々にダイエットとリバウンドを繰り返させることで人々を金づるにして儲けられるようになった。…などが書かれた本。断言や誇張をし過ぎているページもありますが、確かに世の中のカラクリはこうなのだろうと思わせます。世の中の問題も、流行も、ビジネスマンが儲けのために作り出すもの。世界のどこかで誰かが引き金を引いている。2018/08/28

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