出版社内容情報
現代になぜ明治時代のことを書くのか? 司馬遼太郎は「艦これ」ブームを予言した? 博覧強記の作家が考えた新・この国のかたち。
内容説明
二十年をこえる歴史と思索の旅のエッセンスがここに結実した。新直木賞作家の「この国のかたち」。
目次
1 「艦これ」と司馬遼太郎(二十一世紀に明治を書く;「艦これ」と司馬遼太郎;慶応大学は大阪弁で ほか)
2 お人よしの台湾統治(百五十年前の転換点;『その後の慶喜』、四十五年の暇つぶし;われらの内なる蘇峰 ほか)
3 漱石書簡の文体の秘密(名つけの理由;一読者にも書評の奥義を;メロスは激怒した ほか)
著者等紹介
門井慶喜[カドイヨシノブ]
1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。15年『東京帝大叡古教授』、16年『家康、江戸を建てる』で直木賞候補になる。16年『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
144
門井慶喜は、新作中心に読んでいる作家です。小説は結構読んでいますが、エッセイは初めてです。エッセイの中に著作の素材が散りばめられていて、興味深く読みました。昔読んだ司馬遼太郎の『この国のかたち』を想い出しました。直木賞受賞後の著者の作品を期待しています。『慶喜』は本名だったんですね、歴史小説家が運命づけられていたのかも知れません。2018/03/09
ケンイチミズバ
116
定年後の時間をどうやって過ごそう?毎日孫と遊んで過ごすのか、それもいいけど。スタバに入り浸り読書してるふうの毎日?ここにある慶喜の長い長い楽隠居生活が羨ましい。大政奉還からの四十五年、謡や能、油絵、囲碁、将棋、ビリヤード、狩猟、そして有名なカメラなどにいそしんだそうだ。最晩年は伝記の編纂。歴史上一番羨ましいね。今流行りの元号についても解説がある。大政奉還以降、一世一元となりました。それまでは大きな自然災害、疫病、大火にみまわれる度に縁起をかついで元号が度々変わりました。内容はいまいちなエッセイだった。2019/01/15
禿童子
32
歴史のこぼれ話の掌編エッセイ集。この人の語り口は司馬遼太郎を思わせるところがある。豊富なエピソードから人物をクローズアップして現今の世俗と対比して論じている。私が注目したのは今井田勲の大戦中の逸話を取り上げた『旧敵の大地』「昭和十八年、私は、一銭五厘の召集令状で引っ張り出された。」で始まる3頁余の文章はほとんど小説。豪州と戦ってラバウルで捕虜になった今井田氏の敵の軍曹との心温まる交流を語る。種子島出身者としてミセスなどの女性月刊誌を創始した今井田氏は尊敬していた人物なのでその人柄を知れる話が読めて嬉しい。2025/02/22
ロア
29
「しかしまぁ、叱られることを承知で言えば、この昼寝は天下の快事ですね」(「7:50amの昼寝」)天下の快事www( *´艸`)2018/04/27
Syo
29
今、門井慶喜が面白い。 そっか、同志社か。 入試問題が めんどくさかったよなぁ。 なるほどなってことが いろいろありました。2018/03/07