出版社内容情報
わたしは父に連れられ遠くの星から来たらしい。父がそういった――芥川賞作家が、子どもとかつて子どもだった人に贈る命の物語。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
133
当初読むつもりはなかったのですが、図書館新刊コーナーで見つけたので、とりあえず読みました。芥川賞受賞作『しんせかい』に続いて、山下澄人2作目です。本作の方が『しんせかい』よりも芥川賞っぽい趣きです。こりん星から来た小倉優子(ゆうこりん)を想い出しました(笑)先日読んだ芥川賞候補作家、今村夏子の『星の子』と本作の【ほしのこ】対決に関しては『星の子』に軍配を揚げたいと思います。2017/09/28
あじ
52
“ほし”から生まれ落ちて“ほし”へと帰る「ほしのこ」。いつも見守っているということを、天ちゃんの父は伝えたかったのだろう。父と娘の流浪の果てを主題にした、決して暗い物語ではない。娘への愛情を遠回しにそして不器用に、父(作者)は『雪の妖精(シマエナガ)』となって謳っているのだ。“ほし”を見上げた天ちゃんが、ひと回りもふた回りも大きく見えた。【蛇足・解読不能な作品が多い山下澄人ですが、本作は読みやすい方だと思います。】2017/12/09
千穂
48
今村夏子さんの星の子とタイトルが同じだったので図書館新刊コーナーで見つけ気になって読んでみた。ファンタジー?話がどんどん飛んでしまいついていけない。私好みではありませんでした。2017/09/18
とら
24
山下さんの作品を読むと、些細な問題が本当にどうでもよくなる。ファンタジーはそのまま「現実逃避」をするときに使えたりするけど、その域すら越えて、ファンタジー(現実逃避)なんかよりも壮大な、何かを感じ取ることが出来る。そのメッセージは、もう神とか、命とか、輪廻とか、自分という存在そのものに浸透していく。あとこの作品は、単行本で読んだほうが良いな、とも思った。絵本のようでもある。想像力が豊かで、素直に読める、子供のほうが楽しく読めるんじゃないかなと思った。感覚で読むべき作品。2019/03/20
ふじ
19
ほしのこは、ただにほしのこなのか、はたまた天界までの橋渡し役だったのか。現実が徐々に遠ざかり、夢の中を行ったり来たりするような、感じる物語。2017/12/12