出版社内容情報
2006年、ライブドア事件に絡み逮捕された風雲児が、ニッポン放送株取得の裏側や、投資家としての理念と思いを書き上げた半生記。
内容説明
“村上ファンド”を率いて日本に旋風を巻き起こした男の、最初で最後の告白。
目次
第1章 何のための上場か
第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス
第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む
第4章 ニッポン放送とフジテレビ
第5章 阪神鉄道大再編計画
第6章 IT企業への投資―ベンチャーの経営者たち
第7章 日本の問題点―投資家の視点から
第8章 日本への提言
第9章 失意からの十年
著者等紹介
村上世彰[ムラカミヨシアキ]
1959年大阪府生まれ。1983年から、通産省などにおいて16年強、国家公務員として務める。1999年から2006年までファンドを運営。現在シンガポール在住の投資家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
111
村上ファンドを率い、アクティビストとして一時代を築きながらも、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引により一線を退いた村上世彰氏の回想録。当時の事件の背景、先駆者の苦悩、家族への想い、投資家観点での日本企業に対する提言など大変読み応えのある内容でした。/日本経済の継続的な発展のために「コーポレート・ガバナンスの浸透と徹底」を目指してきた。2017/06/25
Nobu A
107
堀江貴文同様、世間を騒がせた人と言う印象しかなかった村上世彰。読んで良かった。2017年初版。06年にインサイダー情報取引容疑で起訴された投資家。本文を通してコーポレート・ガバナンスの重要性と資金の循環が経済活動を活性化すると主張。先進国の中で唯一賃金が上がらず、失われた20年を経験した日本に鑑みると、筆者の言葉が説得力を増す。裁判に関する詳細を省いている点が残念。経歴から詳述出来る文才があるはず。しかし、自伝とも言える本著から投資家としての矜恃と真摯な生き様が見えてくる。時代がやっと追いついた気がする。2022/04/15
あすなろ
107
村上・堀江氏といえば、院で経営学を学び、当時のベンチャーにいたうら若き僕の寵児扱いである。今回の氏の理論展開も正しいのである。当時、彼等が我が国の資本市場に果たした役割は多大であった。コーポレートガバナンス・上場の如何・今回展開された投資を中心とした資金循環の必要性等、今も僕も考え続ける事象である。しかし、現実はどうなのか?我が国の現実や氏が拠を移した東南アジアは?僕は彼等の著作を、然るべき外国の識者が評した著作を次に読みたいと思う年頃となったのである。2017/07/18
ミッフー
99
ご存知村上さんの(春樹じゃないよ😅)企業統治に対する思いを語った本📖証券業に携わる僕にとってコーポレートガバナンス、スチュアートシップ等、昨今当たり前の事ばかりなんだけど、投資経験の無い人や浅い人にはかなりの難解本かと思われます💦経済成長維持には金の循環は不可欠です❗️新紙幣流通時の2024年、旧紙幣貯め込んでても否が応でも炙り出さされ、証券市場に流れていかざるを得ない。外資を中心とした巧者は先取る形で日本株を買い漁り、その頃には日経平均株価は1989年の史上最高値を奪回⤴️単なる僕の相場観です😅2020/01/14
Atsushi
97
ここ数年、上場企業には、コーポレートガバナンス・コードが、機関投資家には、スチュワードシップ・コートがそれぞれ導入された。そして、国はお互いのエンゲージメント(目的を持った対話)を高めろと促す。しかし、それがなかなか進展しない。両者は元々「相容れない関係」なのだ。著者が主張するこの国のコーポレート・ガバナンスの浸透にも未だ時間を要するだろう。自分の勤務先も昨年「買収防衛策」を更新したばかりだ。トホホ・・・。2017/09/10