2050年の技術―英『エコノミスト』誌は予測する

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2050年の技術―英『エコノミスト』誌は予測する

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  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163906409
  • NDC分類 504
  • Cコード C0098

出版社内容情報

十五年前、スマホの到来を予測した人々は、日本のガラケー女子高生に注目していた。AI、自動運転車など、二十の分野を徹底予測!AI、自動車、バイオ、農業、医療、エネルギー、軍事、VR、拡張現実――。



テクノロジー予測で全世界的な信頼を持つグローバルエリート誌が総力をあげて大胆予測!



・自動運転車によって、都市の車両数は90%減少する。

・人間の脳はインターネットに接続され、図書館やスーパーコンピュータと直接つながる。

だが、同時にマルウエアやウイルスまで一緒に取り込んでしまう。

・誰もがARグラスを使用するようになる。他言語を話す人との会話はリアルタイムで翻訳

され、街からは看板や信号が撤去される。その技術はやがて眼球自体に組み込まれる。

・プライバシーは、飛行機のビジネスクラスや別荘のように、富裕層だけの贅沢品になる。

・すでに西側のスナイパーの狙撃距離は2475メートルを記録。今後は、空中で軌道を修正

できる弾丸の開発で、照準線の向こうに隠れる敵を狙撃できるようになる。





【目次】



■はじめに 破壊的で大規模な技術の変化「メガテック」



〈第一部 制約と可能性〉



■第1章 日本のガラケーは未来を予測していた

過去、現在、SFで描かれる未来。この3つが2050年を見通すための鍵になる。

15年前、スマートフォンの登場を予測した人々は、日本の女子高生に注目した。



■第2章 ムーアの法則の終わりの先に来るもの

チップの極小化によるコンピュータの高性能化(ムーアの法則)は、原子のレベルに

近づき限界を迎えつつある。だが、そこからコンピュータの発展の未来が見えてくる。



■第3章 第7の波、AIを制する者は誰か?

メインフレーム型コンピュータの第一の波を制したのはIBM。第二の波はパソコン。

その波を制したビル・ゲイツは、遥か未来のAIの登場について当時考えていた。



■第4章 なぜデジタル革命では生産性向上がみられないか?

経済学者のロバート・ゴードンは、産業革命と比べると、今日のデジタル革命では、

生産性、労働賃金、生活水準はほとんど上がっていないと指摘したが、その盲点は?



■第5章 宇宙エレベーターを生み出す方程式

どんな技術が実現可能か。物理学者はその答えを導き出す方程式をすでに手に入れてい

る。タイムマシンや光速を超える情報伝達は実現しないが、老化や疾病は克服できる。



■第6章 政府が「脳」に侵入する

人間の脳はインターネットに接続され、図書館、スーパーコンピュータ、宇宙望遠鏡

と直結する。だが同時に、スパムやマルウエア、ウイルスも一緒に取り込んでしまう。



■特別SF1 傷つく自由(アレステア・レナルズ)



〈第二部 産業と生活〉



■第7章 食卓に並ぶ人造ステーキ

世界人口は約100億人に達するが、食糧危機は起こらない。細胞培養を通じて、多く

の食品が工場で製造されるからだ。牛乳も卵も、生産に生身の動物は必要なくなる。



■第8章 医療はこう変わる

集中治療室での診断情報の解釈から難易度の高い外科手術まで、学習能力をもったAI

が担うようになる。一方、糖尿病、癌などでは予防用ワクチンの開発が進むだろう。



■第9章 太陽光と風力で全エネルギーの3割

太陽電池は透明な軽量フィルムとなり、自宅の窓やカーテンはもちろん、衣服でも

発電が可能になる。原発は先進国では廃炉が進み、中国、インド、ロシアのみに。



■第10章 車は編まれ、住宅は印刷される

3D印刷の市場規模はまだ67億ドル程度だが、2040年には1兆ドルを超える。その未来

を見抜いた中国は、すでに大量生産ラインで活用。建物まで印刷している。



■第11章 曲がる弾丸と戦争の未来

すでに西側のスナイパーの狙撃距離は2475メートルを記録。今後は、空中で軌道を

修正できる弾丸の開発で、照準線の向こうに隠れている敵を狙撃できるようになる。



■第12章 ARを眼球に組み込む

誰もがスマートフォンの代わりにARメガネを使いはじめる。街からは看板や信号が

消え、他言語はリアルタイムで翻訳。その技術はやがて眼球自体に取り入れられる。



■特別SF2 博士の救済(ナンシー・クレス)



〈第三部 社会と経済〉



■第13章 人工知能ができないこと

AIがわれわれを超える知性を持つことを心配する人は多い。しかし、アルファ碁は

対局の最中に火災報知器が鳴り響いても、次の一手を探しつづけるだけだ。



■第14章 プライバシーは富裕層だけの贅沢品に

コンピュータはすでに医師よりも正確に乳癌の発症を予測できる。だが、その認識パタ

ーンは膨大かつ曖昧で、人間の理解を超えている。ゆえに因果関係の把握は不可能だ。



■第15章 10億人の経済力が解き放たれる

アフリカでは農民のほとんどが女性である。市場価格を知らない彼女たちは、業者の

言い値で取引し、貧困状態にとどまっている。彼女たちを救うのはスマートフォンだ。



■第16章 教育格差をこうして縮める

中産階級の子供が最初の2年で親から語りかけられる言葉の数は、労働階級の子供と比

べて数百万語多い。幼児教育から始まるこうした格差を、技術の力でいかに埋めるか。



■第17章 働き方は創意を必要とされるようになる

私たちは現在、毎日150回以上携帯電話を確認し、メッセージ等の通知に10.5秒に

1回の割合で作業を中断させられている。こうした働き方はいつまで続くのか。



■最終章 テクノロジーは進化を止めない

「産業革命は蒸気電力の開発から始まった」。実は、これは誤解である。技術の誕生は

革命の結果に過ぎず、原因ではない。今も昔も、テクノロジーに意思などないのだ。

英『エコノミスト』編集部[エイエコノミストヘンシュウブ]

土方 奈美[ヒジカタ ナミ]

内容説明

二〇〇〇年代初頭、シリコンバレーの『WIRED』誌では、「日本の女子高生ウォッチ」なるコラムが人気を博していた。日本の多機能のガラケーとそれを使いこなす女子高生は、未来を先取りしていると考えたのだ。それは、iPhoneの未来を予測していた―。こうした未来を予兆する「限界的事例」を現在に求めてみる。アフリカではスマホで当事者間が金融決済をしている。BMWi3の車体は、炭素繊維を編み上げて造っている。テクノロジー予測で全世界的な信頼を持つグローバルエリート誌が総力をあげて大胆予測!

目次

第1部 制約と可能性(日本のガラケーは未来を予測していた;ムーアの法則の終わりの先に来るもの;第七の波、AIを制する者は誰か?;なぜデジタル革命では生産性向上がみられないか?;宇宙エレベーターを生み出す方程式;政府が「脳」に侵入する)
第2部 産業と生活(食卓に並ぶ人造ステーキ;医療はこう変わる;太陽光と風力で全エネルギーの三割;車は編まれ、住宅は印刷される;曲がる弾丸と戦争の未来;ARを眼球に組み込む)
第3部 社会と経済(人工知能ができないこと;プライバシーは富裕層だけの贅沢品に;一〇億人の経済力が解き放たれる;教育格差をこうして縮める;働き方は創意を必要とされるようになる;テクノロジーは進化を止めない)

著者等紹介

土方奈美[ヒジカタナミ]
日本経済新聞記者を経て、2008年より翻訳家として独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

96
エコノミストの「2050年の世界」を読んでからこの本も読もうということで積読でしたがようやく読むことができました。技術という側面に焦点を絞って比較的実現しやすそうなものをかなり理論的な話などを含めて説明してくれています。とくに第3章の「第七の波、AIを制するものは誰か?」は最近の状況ではないかと思われるくらいです。2018/01/28

Miyoshi Hirotaka

34
人間が考えつくものはいずれ実現する。ベルヌの「月世界旅行」は冷戦期の米ソの航空宇宙エンジニアの共読本。ウェルズの「解放された世界」では、核兵器と空母による渡洋爆撃が予告された。ディストピアを描いたオーウェルの「1984」やハスクリーの「素晴らしき世界」に登場するテクノロジーはすべて実用化されている。人間はテクノロジーを作るが、テクノロジーも人間を作る。また、テクノロジーは無機で善悪はない。善悪は人間だけのもの。2050年の世界をユートピアにするのもディストピアにするのも、人、人、人、すべては人の質による。2022/01/08

たかしくん。

27
図書館で借りて、ざっと一読。7章「食卓に並ぶ人造ステーキ」は、なんか「サピエンス全史」の終盤の議論にオーバーラップするところが。ともすると、AIが人間を上回るとも取られかねない予測が、随所で書かれ、既にそれだけで未來小説? ので、巻中の特別SFがウソとは思えなくなってしまいますね~。2018/03/22

T坊主

27
1)益々時代の変化は激しくなるようですが、人間の二極化が益々進むのか? 確かに技術が進むことはいいのだが、昨今の日本人の東芝問題、日産車検査問題、神戸製鋼問題、日本の劣化が著しいのでは?日本だけの問題なのか?2)医療にしても進歩は学者、技術者の自己満足?何千万円の機械で国や患者負担が大きくなり、数年長生きして何の意味があるのだろうか?管に支えられた長寿国に何の意味があるのだろうか?もっと根本的な解決法がるはずだ。もっと自然の食品、できるだけ加工しない食品そいう物こそ大切なのではないか。答えはシンプル2017/10/15

izw

24
2050年の技術に焦点を当てて、エコノミストの記者や専門家が寄稿した18編の論考とSF作家による2編のSFから構成されている。全体に優れた論考が多く、図書館で借りて読み終えたのだが、再度読み返したく、書店で購入してしまった。未来を予測する本は、その時点がきたところで、どの程度外れているか、どのようにトンデモない予測をしていたかを振り返るのが楽しみである。2017/10/14

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