会津執権の栄誉

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163906355
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

家臣による当主弑逆を切掛に、会津の名家、蘆名家は崩壊の一途を辿って行く。オール讀物新人賞受賞作家による、初の連作短編集。「オール讀物新人賞」受賞作家、出色のデビュー作!



この力量は本物だ!

歴史小説の明日を担う才能のデビュー作を

その目で確かめてもらいたい。――石田衣良



綿密な取材が紡ぎ出す史実と創作の融合。

「新人離れした」とは、本書のことだ。――山本一力





四百年の長きにわたり会津を治めてきた芦名家。

しかし十八代目当主が家臣の手にかかって殺されたことから

男系の嫡流が断たれ、常陸の佐竹義重の二男、義広が

婿養子として芦名家を継ぐことにに決まった。



血脈の正当性なき家督相続に動揺する、芦名家譜代の家臣たち。

義広が引き連れてきた佐竹の家臣団との間に、激しい軋轢が生じる。



揺れ動く芦名家に戦を仕掛けるのが、奥州統一を企てる伊達家の新当主、伊達政宗。

身中に矛盾を抱えたまま、芦名氏は伊達氏との最終決戦、摺上原の戦いに至る。



「夢幻の扉」でオール讀物新人賞を受賞した佐藤巖太郎が

滅亡に向かう名家と、戦国武将の意地を克明に描き切った傑作。

佐藤 巖太郎[サトウ ガンタロウ]

内容説明

相次ぐ当主の早世により、男系の嫡流が途絶えた会津守護、芦名家。近隣の大名から婿養子として当主を迎えることになったが、それをきっかけに家中に軋轢が生じる。一触即発の家臣たちをなんとかまとめていたのは家臣筆頭であり「会津の執権」の異名を持つ金上盛備。しかし彼も老齢にさしかかり、領土の外からは伊達政宗の脅威が迫っていた。

著者等紹介

佐藤巖太郎[サトウガンタロウ]
1962年、福島県生まれ。中央大学法学部法律学科卒。2011年「夢幻の扉」で第91回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2016年「啄木鳥」で第1回決戦!小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

214
直木賞候補作となってから図書館に予約したので、ようやく読めました。佐藤巖太郎、初読です。最初、江戸末期の会津の物語かなと思って読み始めましたが、全く違いました。時代、地域、主人公共に渋い設定、最期の2編でようやく戦国時代のスーパースターが登場して締まりましたが、冒頭に登場した渋柿の如く如何せん渋過ぎました。2017/09/19

ナイスネイチャ

194
図書館本。会津藩芦名家の家臣の奮闘をメインに描かれた短編集。摺上原の戦いなどかなりマイナーなお話で伊達政宗との対峙は芦名家にすればとばっちりもいいとこ。秀吉に許されなければどうなっていたのか興味深いけど、やはり跡継ぎが途絶えると悲惨な結末なのかこの時代は。作品的には弱者の戦い方といい私のど真ん中作品で面白かったです。2017/08/19

ケイ

160
直木賞候補作。16代、17代当主などの言葉から、江戸時代中期〜終盤かと思っていたら、太閤さんの時代。戦国の世、特に東北は平定にはまだ遠かった。この時期の会津には明るくないため、人名がさっぱりわからず最初は読むのに苦労した。そもそも、会津や猪苗代で揉めている原因が不明瞭だし、失礼ながら新人作家的な稚拙なところもあり、帯の絶賛に疑問を持っていたら、後半から一気に読まされた。曇っていた空に光がさし、雲が散っていった。特に表題でもある『会津執権の栄誉』と『政宗の代償』はよかった。おすすめです2017/10/09

雪風のねこ@(=´ω`=)

156
初読。終始、主従の関係が主題として描かれている。それは最後、正宗が刀の鍔を眼帯とした事でも判るだろう。何を信じ何を疑い何に命を懸けるのか。家名の為か。自己欲を埋める為か。借りを返す為か。建前、法度は在るだろうが、それでも。極限まで追い詰められた時、自己が何の衒いも無く受け入れられる直感の様な信念に殉じるのも、間違っていないのだと強く感じさせられた。ただその心境に達する為に、日常の詰まらぬ雑言に惑わされず、目を曇らせず、自分を信じてくれる者を信じ返す事である。2017/07/07

いつでも母さん

133
一つの『お家』を絶やさないということは『何か』の犠牲の上に成り立っている!ということなのだろうー血筋であれ、家臣であれ支えられていること、支えていること・・今に通じる心の在り方と読んだ次第。連作6作。好みはタイトル作。芦名氏のものを今まで読んだ記憶がないので新鮮だったし、なかなかの筆力だと思った。歴史小説に新たな作家が誕生した。次作が楽しみに思う。2017/05/24

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