銀の猫

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163905815
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

美しく奔放な母を養いながら、江戸で老人介護を生業として暮らすお咲。逝く人に教わる多くの真実が深く身にしみる時代長編。

朝井 まかて[アサイ マカテ]

内容説明

お咲は、年寄りの介護をする「介抱人」。口入屋「鳩屋」の主人・五郎蔵とお徳夫婦に見守られ、誠心誠意働くお咲は引っぱりだこだが、妾奉公を繰り返してきた母親のだらしなさに振り回され、悩む日々―。そんな時、「誰もが楽になれる介抱指南の書」を作りたいという貸し本屋・佐分郎太から協力をもとめられた。「いっそ、ぎりぎりを攻めるってのはどうですかね、お咲さん」―「いいかも。そのぎりぎり」。長寿の町・江戸に生きる人々を描く傑作時代長編。

著者等紹介

朝井まかて[アサイマカテ]
1959年大阪生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年『実さえ花さえ』(のちに『花競べ』に改題)で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し作家デビュー。2013年『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞、2014年に同書で第150回直木賞を受賞。同年『阿蘭陀西鶴』で第31回織田作之助賞、2016年『眩(くらら)』で第22回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナイスネイチャ

204
図書館本。江戸時代の介抱人を生業とする主人公お咲。男にだらしない母親、別れた旦那に借金を返すなど不憫な人生を送るのだが、隠居生活ながら介抱を行うおぶん、同じ長屋の庄助親子など温かい人たちに囲まれて乗り越えていく物語。今も昔も介護って必要だったんだと感心するもこの時代の大変さが読み取れました。2017/03/31

いつでも母さん

189
江戸時代にだって認知症や不治の病はある。家庭環境、世間の目は現在と変わらないんだ。これはバツイチ・お咲の『介抱人』奮闘記。お咲の美貌の母親は家事も出来ずだらしない。しかも前の舅から勝手に借金まで。私ならこんな母親とは一緒に暮らせないが、今日もお咲は借金を返すべく口入屋に通う。介護や看取りまで努める姿はこの先の自分の姿がダブり切なくなる。介護では家庭の事情が見えるし、看取りには逝く人から学ぶ事がある。その中でお咲が感じたことが『往生訓』になる。生き方逝き方は千差万別、お咲は今日も行く。是非続編を!2017/04/06

星落秋風五丈原

183
大江戸ヘルパー=介抱人事情。やっぱり江戸時代も3Kだった介護業界。現代より寿命が短かったとはいえ高齢者は隠居したら金だけ残しておとなしくしててね、という願望を感じて自らが介護人になるエピソード良い。佐和に対して素直になれなかったお咲だけど彼女にも幸せが訪れて欲しい。2023/02/14

ribon

183
読み易く一気に読んでしまった。江戸時代の訪問介護の話。江戸時代の介護は武家や町人に関わらず家の跡取り(主に男性)の大切な役目だったと知り驚いた。短編八話から成り、認知症や脳梗塞の病人、介護疲れの隣人、ボランティアで介護に関わる隠居などが登場。介護は他人の方が良い場合もある、依頼が終われば不必要に出入りしないなどは現代にも通じるし、お咲の介抱人としての気づきは素晴らしい。現代の介護職と異なり、介抱人は給金が高いというのがとても良いと思う。当時は裕福な家しか介抱人を雇えず、現代の介護保険の有難さを感じた。2020/04/13

とろとろ

156
江戸時代に介護のための人材派遣の仕事屋があったという話。そこで指名ナンバーワンのお咲さんから見た江戸時代の介護の様子について、人情話を折込ながら折々紹介していくということかな。現代でもアリだなぁという話が全8篇。お咲とその母親左和の掛け合いが面白い。鳩屋はいったいどれだけ儲けているのかと思うほどお金にはがめつい。久しぶりにちょっと良いお話ばかりだった。いつもぐちぐちと不満を書いているのだけれど今回は言う隙がなかった。こういうふうにアッサリと外連のない話がいちばん合うのかもしれない。作ったお涙頂戴は無しだ。2017/04/04

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