四月になれば彼女は

川村 元気【著】

文藝春秋（2016/11発売）

• サイズ B6判／ページ数 269p／高さ 20cm
• 商品コード 9784163905532
• NDC分類 913.6
• Cコード C0093

出版社内容情報

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。

そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と――。



天空の鏡・ウユニ塩湖にある塩のホテルで書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。

ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。

愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか――。

失った恋に翻弄される12カ月がはじまる。



胸をえぐられる、切なさが溢れだす

『世界から猫が消えたなら』『億男』の著者、2年ぶりの最新刊



あのときのわたしには、自分よりも大切な人がいた。それが、永遠に続くものだと信じていた。

川村 元気［カワムラ ゲンキ］

内容説明

４月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と―。天空の鏡・ウユニ塩湖で書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、１年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか―。失った恋に翻弄される、１２カ月がはじまる。

著者等紹介

川村元気［カワムラゲンキ］
１９７９年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。２０１０年、米Ｔｈｅ　Ｈｏｌｌｙｗｏｏｄ　Ｒｅｐｏｒｔｅｒ誌の「Ｎｅｘｔ　Ｇｅｎｅｒａｔｉｏｎ　Ａｓｉａ」に選出され、翌１１年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[starbro]

川村元気は、新作中心に読んでいる作家です。本作は、今時の恋愛・結婚・夫婦模様、歳時記でした。気楽に味わえる恋愛小説です。ハル（春）が旅する場所（特に天空の鏡・ウユニ塩湖）がいずれも行きたい所なので、旅情をそそられました。ところで多くの作家がセックスレスをテーマに書いていますが、セックスレスは人類を滅亡に導くのでしょうか？それとも人口の爆発を抑制し、薔薇色の未来を齎すのでしょうか？

2016/12/03

[遥かなる想い]

ひどく せつない青春小説だった。 なぜか薄い色の雰囲気が全編を覆う.. サイモン&ガーファンクルの歌を 意識したのだろうか..著者が描く恋愛の 世界は清冽だが、胸を抉る。なぜ 9年ぶりに彼女は手紙を送ってきたのか？ 死の間際に思い出すのは 恋の記憶なのかも しれない..若い頃の二人が見ていた風景が 現代に繋がっていく..写真と映画と音楽と そして その彼女とのひとときが 心に残る恋愛小説だった。

2017/04/02

[風眠]

作中でフェリーニの映画『道』のラストシーンについて語られる場面がある。「ザンパノはジェルソミーナを想って泣いたんじゃないよね」「自分の手に入らなかったものが、ひたすらに愛おしかったんだと思う」と。昔、私もあのラストシーンに同じような事を感じた。つまり、男女の関係にあるものの正体は「執着」なのではないか。愛しても苦しい、素直なままでいられない、きれいなままでもいられない。その人を愛するという執著を手放せば、愛を探し求めて傷つき、傷つけられる事から解き放たれるのに。永遠なんて無い。無いからこそ信じたい。心が。

2017/09/06

[ウッディ]

装丁とコピーから、切ない恋愛ストーリーを期待して読み始めた。静かな雰囲気と謎いた展開で、大崎善生さんの小説っぽかったが、期待が大きかったせいか、大きな盛り上がりもなく、凡庸な印象でした。

2017/07/28

[うっちー]

賛否あるようですが、確かに小説というより映画を見ている感覚でした。good

2016/12/13