出版社内容情報
結婚が政略であり、嫁入りが人質と同じだった時代。各々の方法で城を守ろうと闘った女たちがいた――三人の女性の運命を描く中編集。結婚が政略であり、嫁入りが人質と同じだった戦国時代。
各々の方法で城を守ろうとした女たちがいた――
2017年のNHK大河ドラマに決定した女城主、井伊直虎ほか、三人の女の運命を描いた中篇集。
二つ年下の甥・織田信長の政略によって岩村城主遠山景任に嫁いだ珠子(おつやの方)。
景任の死後、珠子は、信長が養子として送り込んだ御坊丸とともに城主として君臨した。それもつかの間、岩村城は武田信玄の別動隊、秋山信友によって包囲される。
秋山信友は密使を送り、自分が珠子と縁組し、そのうえで御坊丸に家督を譲るという条件を申し入れる。嫌々ながらもそれを受け入れた珠子だったが、意外にも信友に惹かれていき……。(「霧の城」)
七尾城主畠山義綱と、側室・佐代のあいだには義隆という息子がいた。義綱は、正室とのあいだに生まれた息子・義慶ではなく、義隆を跡継ぎにしたいと希望していた。
ところが、遊佐美作守らによって義綱が領外に追放され、義慶が次の当主となる。
義隆と佐代を奉じて兵を挙げようとする動きがあると噂が流れ、城中が不穏な空気に包まれると、佐代は、その事態を収めるために遊佐美作守と夫婦になるよう提案される……(「満月の城」)
今川、武田と強敵に囲まれ、相次いで当主を失った井伊家は、桶狭間の戦いで戦死した直盛の長女、奈美(後の次郎法師直虎)を女地頭に立てる。奈美は過去のある事件を機に出家していたが、井伊家存亡の危機にあたって還俗。徳政令を迫る今川家をかわし、謀反を企む家老・小野但馬守から井伊谷城を奪回し、緋おどしの鎧に身を包んで武田の軍勢を迎え撃つ。(「湖の城」)
安部 龍太郎[アベ リュウタロウ]
内容説明
信長に逆らった女、謙信に抗った女、そして家康に愛された女、井伊直虎。戦国の世を熾烈に生きた三人の運命を、直木賞作家が描く。
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。久留米高専卒業。90年『血の日本史』でデビュー。2005年『天馬、翔ける』で第十一回中山義秀文学賞を受賞。13年『等伯』で第百四十八回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
いつでも母さん
まちゃ
baba
優希