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太平洋の試練 ガダルカナルからサイパン陥落まで〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 477p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163904245
  • NDC分類 391.27
  • Cコード C0098

出版社内容情報

実は米軍内も割れていた!

陸海軍と海兵隊の縄張り争い。ニミッツとマッカーサーの足の引っ張りあい。米国側から初めて描かれるミッドウェイ以降の日米戦。

(上巻の粗筋)いがみ合う海軍と海兵隊、キングとマッカーサーの主導権争い
ミッドウェイ海戦からわずか二カ月で、本格的な反転攻勢に出る。その第一歩はガダルカナル。そう主張するキング提督に、マッカーサーは反対する。太平洋における艦隊勢力はまだ日本優勢。早すぎる攻勢は味方を危険にさらす……。が、1942年8月7日、日本がまったく予想のしていなかった海軍と海兵隊による上陸作戦が始まる。それは、戦争史上初めての、陸海空が連携して死力を尽くす戦いだった。

(下巻の粗筋)日本艦隊が挑む最後の総力戦
艦隊決戦はできるのか? 時間は自分には味方していない。米国は時間がたてばたつほどに
巨大な工業製品を次々と太平洋の前線遅滞に送りこんでいる━━。山本五十六のなきあとの連合艦隊の寡黙な司令長官、古賀峯一は、自分が遅かれ早かれ、連合艦隊を投入し、マハンの教えのとおり、戦艦による決戦をいどまなければならないと考えていた。巨艦大和と武蔵を擁した大艦隊で、自分の日本海会戦を戦うのだ。しかし、いつ、どこで?

(本書に寄せられた推薦のひとこと)
いがみ合う海軍と海兵隊、
キングとマッカーサーの主導権争い。
米軍のガ島反攻にはこんなドラマがあったのか!
半藤一利(作家)


最前線の兵士の目から見た
日米両軍の激闘は、
国家の運命を賭けた壮大な交響曲だ。
戸??一成(大和ミュージアム館長)

内容説明

日本の広大な太平洋の支配地域は脆弱な石油輸送網によって支えられている。米潜水艦部隊はその血脈を断ち、日本の後退が始まる。戦艦の艦隊による決戦で、逆転ができると信じた日本は「絶対国防圏」を設営する。が、今や陸海空の島嶼上陸作戦を完全に洗練させた米国は、日本を最終破壊するB‐29の前線基地としてサイパンに狙いを定める。日米戦争を両海軍の視点から描く三部作の第二作。

目次

第9章 日本の石油輸送網を叩け
第10章 奇襲から甦ったパールハーバー
第11章 日米激突の白兵戦「タラワの戦い」
第12章 真珠湾の仇をトラックで討つ
第13章 艦隊決戦で逆転勝利を狙う日本海軍
第14章 日米空母最後の決戦とサイパンの悲劇
終章 最早希望アル戦争指導ハ遂行シ得ズ

著者等紹介

トール,イアン[トール,イアン] [Toll,Ian W.]
サンフランシスコ在住の海軍史家。2006年の『6隻のフリゲート艦アメリカ海軍の誕生』(ノートン社刊、未訳)で数々の賞を受賞してデビュー

村上和久[ムラカミカズヒサ]
1962年、札幌生まれ。早稲田大学文学部卒。海外ミステリの編集者をへて、翻訳家に。ミステリ以外に、軍事ものの翻訳をその豊富な知識から得意とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Isamash

20
ハーバード大修士の海軍史家イアン・トール2015年著作の訳本。米軍取材のみならず日本側取材も卓越していて非常に面白かった。部下やマッカーサーの反対を押し切って進めたキング提督による飛石作戦が成功に導いた描写は説得力大。唯それはある程度予想されるがそれ以外、例えば戦時のハワイの描写、即ち非白人が多く、白人の特権消失にショックを覚える白人兵士の描写やそこでの売春業の実態描写等に感心させられる。日本の戦闘機パイロット養成システムも取材し、当初の超精鋭主義による人数不足と途中からのインスタント養成ぶり、即ち現実に2022/01/16

ロッキーのパパ

18
評価は★★★★(満点は★★★★★) この巻に入ってからは日米の差が開く一方。旧日本軍に批判的な立場とは言え、日本人として読むのがつらい。工業力の違いが一番の理由だけど、戦いをフィードバックするシステムの差も大きかったと思う。 トピックスとしてはレーダーの話が面白かった。日米海軍のレーダーへの取り組みの差は知っていたけど、日本陸軍がレーダーに力を入れていたのは初耳。戦闘機を次々と導入したり、陸軍はテクノロジーを重視していたのかもしれない。 3部も楽しみ。2年後が待ち遠しい。2016/06/21

ふぇるけん

13
主にアメリカ側から見た太平洋戦争の記録、第2部の後編。このシリーズを読むだけで、戦闘に関する記録はもちろんであるが、銃後の日米それぞれの動きについてもかなり綿密に取材されており、非常に勉強になる。もう後半は米国側の圧倒的な火力の前になすすべなしの日本であるが、日本軍の攻撃偏重、兵站軽視の戦略的欠陥が破滅的で、油槽船のほぼすべてが米国潜水艦の餌食になってしまう。また、人員面でも予科練の選抜が厳しすぎた故に、十分なパイロットを供給できなかったなど、全方面での統率に欠けていた。現在の日本も状況は変わっていない?2016/08/15

skunk_c

13
詳細な戦史とともに、銃後の様子を実に見事に描いている。まだ戦局が定まらない時期でも娯楽が溢れていたアメリカ。そんな相手と戦争を続ける愚かさに気づかなかった(気づいていても止めることができなかった)当時の日本の指導者にあきれる言葉もない。そこには徹底した合理主義とプラグマティズム、そして持っている資源と工業力を巧みに利用し、最小限の犠牲で最大限の戦果を上げようとする国に、その資源がない故に戦争を仕掛け、精神力だけで「大勝利」を上げうると途方もない勘違いをし、多くの犠牲者を出した国の救いようのない差が見える。2016/06/29

蜻蛉切

11
訳者のあとがきでも触れられているが、米軍が戦場経験をフィードバックして、スピード感をもって戦い方を洗練させて行った事と、ひたすら失敗と面子を取り繕うことに奔走した(様にしか見えない)日本軍。 本当に好対照である。 但し、米軍もお世辞にも一枚岩とは言えない有様であったことは印象的。(裏でいろいろ工作が激しく行われたことを初めて知った。) アメリカ潜水艦による漂流者への発砲事件については、こちらも初めて知ったが、詳細については触れられていないのが残念。2018/06/28

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