黄昏客思

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黄昏客思

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163903446
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

人生の黄昏、わたしはこれから何をするのか、と自問する瞬間が訪れる。答えのない問いを「正しく問う」道標を探す香気高い随想集。

己を人生の客となし、背後に時間はたゆたう。
怜悧な思索と生の官能とが反響しあう二十篇の随想。

人生の黄昏、わたしはこれから何をするのか、と自問する瞬間が訪れる。答えのない問いを「正しく問う」道標を探す香気高い随想集。

内容説明

己を人生の客となし、背後に時間はたゆたう。怜悧な思索と生の官能とが反響しあう二十篇の随想。

目次

主客消失
可憐愛惜
主権在民
往時渺茫
雅俗往還
秘匿恍惚
人〓多事
孤蓬浮雲
日日颯颯
九皐陋巷
南去北来
線描刻印
鏡像交叉
水影破砕
文人清韻
凛冽可憐
詩心残心
行路峻嶮
柳風駘蕩
幼時永遠

著者等紹介

松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954年東京生まれ。詩人、小説家、東京大学名誉教授。88年、詩集『冬の本』で高見順賞受賞。95年『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、96年『折口信夫論』で三島由紀夫賞、2000年『知の庭園―19世紀パリの空間装置』で芸術選奨文部大臣賞受賞。同年「花腐し」で芥川賞、05年『あやめ鰈ひかがみ』で木山捷平文学賞、同年『半島』で読売文学賞。09年、詩集『吃水都市』で萩原朔太郎賞、14年、詩集『afterward』で鮎川信夫賞。15年『明治の表象空間』で毎日芸術賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

30
ここに来て松浦寿輝は「人生のまとめ」をし始めたかのようにも読める。子どもの頃の思い出、今の世の中の行く末、芸術論、詩の創作のセオリー……それこそ吉田健一『東京の昔』などを彷彿とさせるところもありつつも、その吉田健一ほどには「余裕」をいい意味で感じさせ「ない」ところに興味を持つ。つまり、エッセイを常に「全力疾走」で書いていることからくるスリルを感じる。彼の鋭敏な知性は「随(くままの)筆」の運びに任せて思わぬ方向へと詩作を走らせる。その予測不能な展開と、そこから時に彼の実存の不安が垣間見えるその「弱さ」を買う2023/08/02

踊る猫

27
読み返してみてその力強い文章・文体に驚く。松浦寿輝といえばもっと官能的でこちらを煙に巻く優雅さ・優美さを備えた書き手だという偏見があったからだろう。時にこの国やこの世界を憂うような問題設定を行い、そして青筋を立てたテンションの上げ方を見せ、一貫して思索の対象と真剣に・愚直に向き合う姿勢を隠さず松浦は思索を進める。書きたいことなど何もない、というアナーキーな姿勢・動機は本音だろう。しかし、書き始めるとこんなにもメロウな内面の混乱や困惑をあらわにする。そうした力強さと思索の揺れは奇跡的なバランスで融合している2023/12/19

踊る猫

14
紋切り型のコメントになるが、かつては女性っぽさ/上品さがあった松浦のエクリチュールはここではその美点が見られない。むろんマッチョになったわけではないが、より硬質になりその分安定感も増した。歳を重ねることで経験を積み、読書を重ねて動じない心を持つようになったのかな、と思う。やや説教臭いところが気にならないでもないが、バルトとは違った歳の重ね方をしているとも思う(敢えて言えば、百閒?)。風格があり、あるべき知識人としての姿を開陳しているとも受け取れる。そう考えれば彼が東大を辞めたのは、アマチュアになるためか?2020/04/03

踊る猫

11
こんなことを書くのは相当に失礼であることを踏まえた上で書けば、氏の師匠格の蓮實重彦氏による『随想』を連想させられた。だが蓮實氏と比べると良くも悪くも人を食ったところがなく、思考は融通無碍に運ばない。『青天有月』で顕在化していた「老い」や、あるいは言い古されたことになるのだけれどある種の「官能」に触れて、あとは現代社会に対する違和感が吐露される。その堅苦しい生真面目さは持ち味として好意的に捉えるべきだと思う反面、もっとふざけても良いようにも感じられた。だが日本語でしか書かれ得なかった美しい「随筆」なのは確か2016/07/14

yamahiko

9
主客の浸潤をめぐる思想。芳醇な語彙。収穫の一冊。2015/12/30

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